大学概要

新潟医療福祉大学 将来計画

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はじめに

将来計画の視点から、本学の歴史を「過去」と「現在」に分けてみました。さらに「過去」を高橋榮明前学長の2001(平成13)~2009年度(平成21年度)と、山本正治現学長の2010(平成22)~2013年度(平成25度)に二分しました。そして「現在」は、2014(平成26)~2017年度(平成29年度)の期間を指すことにしました。

この分類に従って、将来計画に関する過去の経緯を記述した上で、現在、私たちは何をすべきかについて考えてみます。

1.2001(平成13)~2009年度(平成21年度)

新潟医療福祉大学は2001年(平成13)に開設されました。当時、学則で示された建学の精神は以下の通りです。「本学は、教育基本法及び学校教育法の精神に基づき、広く保健・医療・福祉に関する専門の学芸を教授研究し、豊かな人間性と高潔な倫理性を涵養し、保健・医療・福祉に関する指導的人材の養成を目指し、もって学術文化の発展に寄与し、人類の福祉の向上に貢献することを目的とする」

この学則で定められた精神と目的を、本学では短く纏めて「優れたQOLサポーターの育成」と表現しています。(注:現在では保健・医療・福祉・スポーツ分野を対象にしている。)

開設時に本学の中長期目標が策定されています(理事会資料)。中期目標では「保健医療福祉分野の大学で日本一にする」、「学生数5,000名の大学を作る」、長期目標では「本学を同分野の大学としてアジア一にする」と記載されています。しかし何を客観的指標として、いつまでに日本一、アジア一になるかの記載はありません。

2.2010(平成22)~2013年度(平成25年度)

2010年(平成22)に開設10年目を迎えました。学生数が2,500名に達し、かつ医療福祉系の研究領域でも国際的に活躍する機会が増え、次第に海外から高い評価を受けつつあります(『新潟医療福祉大学自己評価報告書』、平成18年度)。私はこの時期に学長に就任し、本学の素晴らしい業績を目の当たりにしました。そこでこれまでの目標・計画の達成度を踏まえた上で、新たな戦略的及び戦術的視点から目標・計画の再構築を図りました。

1)長期目標(2010~2020年度)及び第一期中期目標(2010~2013年度)の策定

「優れたQOLサポーターの育成」を、全学の理念とすることに変わりありません。この理念の実現のため、以下の将来目標を設定しました。

(1)長期目標(2010~2020年度):地域社会のニーズに応えるため、質が保証されたQOLサポーターとなる在学生5,000名の大学とする。
(2)中期目標(2010~2013年度):質を保証するための大学組織作りと教育・研究施設の整備を行なう。

この長期目標、中期目標を達成するため、10個のドメイン(柱)を設定しました。即ち「大学拡充計画の推進」、「入試情報の提供強化」、「教育内容の充実」、「学生支援の強化」、「教員の人材確保(FDを含む)」、「研究機能の充実」、「同窓会・生涯学習の支援」、「地域・産官学連携の推進」、「国際交流の推進」、「組織マネジメント改革(SDを含む)」です。

2)アクションプラン(2010~2011年度)の策定

2010年から2013年までの4年間における中期目標を達成するため、まずは前半2年間のアクションプランを策定しました。

なお上記の長期計画及び中期計画、並びにアクションプラン(2010~2011年度)の部分については、和文及び英文で大学ホームページに掲載し、日本国内だけでなく世界に我々の決意を表明しました。因みに、国立大学法人では中期目標・中期計画の詳細が各大学のホームページに公開しておりますが、私立大学で詳細を公開するのは、私の知りうる限り本邦初であります。また英文で将来計画の詳細を公開したのは、国公私立大学を問わず本邦初であります。

3)将来計画の見直し及びアクションプラン(2012~2013年度)の策定

2012年(平成24)3月、自己点検・評価委員会が『中期目標(平成22年度から25年度)に対する22年・23年度の達成状況』をまとめました。中間評価の総括は以下のとおりです。

「中期計画に対する進捗状況は様々であり、またドメインによっても全体進捗状況が大きく異なっていた。特にドメイン「教育内容の充実」、「教員の人材確保」、「同窓会支援・生涯学習の支援」では中期計画に対して大幅な遅れがみられるものが複数存在しており、今後ドメイン責任者が中心になって目標達成にむけて精力的に進めて頂きたい。今回の中間評価で幾つか問題点も明らかとなり、中期目標を策定してから2年目という時期に中間評価を行ったことは大変意義あるものとなったと考えられる。一方、大学の安定的な発展に最も重要である「財務体質の安定と強化」については「将来計画」に含まれておらず、将来計画の進捗状況に対する自己点検評価とは別に点検評価していく必要があり、今後の課題である。」

私はこの自己点検・評価報告を受けて、将来計画全体の見直し(特に中期目標)とアクションプラン(2012~2013年度)の策定に着手しました。特に今回の見直しで留意したことは、開設時に設定された中期目標で「保健医療福祉(+スポーツ)分野の大学で日本一にする」、「学生数5000名の大学を作る」、長期目標で「本学を同分野の大学としてアジア一にする」の実現を決意し、その方略を考えたことです。“5,000名の大学”は、2010年(平成22)に設定した(改訂)長期目標として変わりありません。“日本一”は学部教育(国家試験合格率及び就職率)で、“アジア一”は大学院研究(尖端的研究、謂わばオンリーワン的研究)で、ゴールをめざしたいと考えております。

将来計画の見直しを行う段階で、本学における「独自項目」の推進をアクションプランの中で具体化を図りました。外部認証評価を意識した計画でした。学長の個人的見解ですが、本学には幾つかの特徴があります。例えば、(1)QOLを支える人材育成の領域では、連携教育の実践(文部科学省「大学教育充実のための戦略的大学連携支援プログラム」の主管校)、高い就職率達成を目指した教職員一丸となった支援体制(文部科学省「大学教育・学生支援推進事業」でS 評価)、教員の教育力を高めるための諸事業の推進(採用・昇任時にミニレクチャー、任期制の完全実施、業績評価に基づく昇給又は減給制度など)、低学力学生に対する学習支援センター、高い国家試験・資格試験合格率達成を目指した諸活動があります。学生自身によるグループ学習が伝統化していることに加えて、支援体制を整えていることです(国試対策室の設置、特別講義の実施、低学力学生に対する個別支援など)。(2)地域社会のニーズに応える大学の領域では、「新潟市北区との包括連携協定」があります。大学としてきめ細かい地域社会のニーズに応えるため、敢えて地域を限定して行っております。政令都市の区レベルでの地域連携は全国的にも極めて少ないケースと聞いております。(3)国際社会に貢献する大学の領域では、年間1学年定員の10%の学生に対して海外体験をさせることに取り組んでいます。また研究面では義肢装具自立支援学科、理学療法学科を中心とするアジア諸大学との国際共同研究の推進、健康栄養学科、健康スポーツ学科、看護学科を中心とする「大洋州における地域保健での生活習慣病予防対策研修」(JICA 事業)があります。最後に、ここに紹介した「将来計画」の全てを、日本語及び英語で世界に公開していることも「独自項目」に加えました。

4)外部認証評価

2013年(平成25)10月に審査を受け、2014年(平成26)3月に認証状の伝達がありました。優れた点として評価された内容を抜粋して紹介します。

基準「学修と教授」:「優れたQOLサポーターの育成」を目指し、教育課程編成方針が国家資格取得に向けて明らかにされている。「学習支援センター」の職員、指導教員及び各学科担当教員の協働により学修支援が全学的に行われている。大学の使命・目的に合わせ、「大学敷地内禁煙」を宣言し、学生に「禁煙宣言書」を書かせるなど積極的な指導を実施している。海外研修制度、研究奨励金制度、研究センター・研究所の設立などにより、教員による教育研究を活性化させており、FDの積極的な取組みが教員の力量形成に貢献している。教養教育が「優れたQOLサポーターの育成」の実現に呼応するものとして位置付けられ、基礎的な学力や人間形成が専門教育に大きく影響するという認識のもとに整備されている。

基準「経営・管理と財務」:学長は「総務会」を指揮し、合同教授会や各種連絡会、委員会などに加え、「学長室から」や「学長ホットライン」などを通して大学の意思決定と業務遂行において適切なリーダーシップを発揮している。理事会、評議員会、「総務会」「学内連絡会」、合同教授会、各種委員会などがそれぞれの役割分担を明確にし、情報共有に基づく相互連携、相互チェックが機能的に行われて、効果的かつ迅速に意思決定がなされている。将来計画に沿った事務局の目標を部署ごとに定め、定期的に進捗状況の確認を行うほか、職員を対象にキャリア面接制度を設け、「目標管理シート」による個人目標の設定と到達度評価を実施するなど、職員の目標に対する意思統一と資質向上を図っている。

基準「自己点検・評価」:学長は「新潟医療福祉大学将来計画機構」及び自己点検・評価委員会の連携により、将来計画などに対する各部門の進捗状況を十分に認識し、目標達成に向けての助言や見直しを促すことでPDCAサイクルを構築している。

3.2014(平成26)~2017年度(平成29年度)

これからの4年間は、本学のさらなる発展を目指して私たちはいま何をすべきかを検討する時期であります。この4年間が明けた翌年には、“2018年問題”が待ち構えています。(注:2018年問題とは、2018年を境にして18歳人口の大幅減少が起こり、多くの私立大学で定員充足が困難になり、存続が危ぶまれることを指しています。)

そこで本学は、2018年以降に顕在化する諸問題を予測した上で2020年までの長期目標を見直しました。そしてこの4年間の第二期中期目標・中期計画を策定し、かつ直近の2年間の年次計画(アクションプラン)を具体化しました。

将来計画の理念と全体像

理念:優れたQOLサポーターの育成を目指す。

将来目標
  1. 長期目標(2010~2020年度):
    超高齢社会及びグローバル社会のニーズに応えるため、質が保証されたQOLサポーターとなる在学生5,000名の大学とする。
  2. 第二期中期目標(2014~2017年度):
    グローバル化に向けた教学組織の構築を開始するが、その前段階として国際化のより一層の推進を図る。優れたQOLサポーターの質保証として5つの要件は継続する。
    〈質保証の5要件〉
    * 科学的知識と技術を活用する力(Science & Art)
    * チームワークとリーダーシップ(Teamwork & Leadership)
    * 対象者を支援する力(Empowerment)
    * 問題を解決する力(Problem-solving)
    * 自己実現意欲(Self-realization)
  3. 第二期中期計画(2014~2017年度):
    (1) めんどうみのよい大学の可視化
    (2) 就職率日本一を実現
    (3) 超高齢社会及びグローバル社会のニーズに対応できる基盤整備
    (4) 世界標準に対応できる授業及び実習方式の検討
言葉の定義
めんどうみのよい大学
エンロールメント・マネジメント手法を用い、学部学生・大学院生だけでなく、卒業生も対象にして、優れたQOLサポーターとなるために必要な教育的及び学術的サービスを必要なときに必要なだけ受けられる大学を目指す。この一連のプロセスをめんどうみのよい大学(行動目標)と定義する。
国際化とグローバル化
「国際化」は、国々同士が、国家としての原理原則の違いを尊重しあいながら交流を深める方向に進むことである。「グローバル化」とは、国境の概念がなく世界が単一の原則(グローバルスタンダード)で機能する社会に進むことである(特に経済活動のグローバル化が将来問題となる)。
「目的」と「目標」
大学の「目的」は本学の建学精神、又は理念である“優れたQOLサポーターの育成”を意味する。
「目標」はそこに至る道筋に設定されたゴールを意味する。

将来計画の種類と期間

上記理念、将来目標を達成するために、10のドメインを設定し、以下の将来計画を策定

ドメイン

Ⅰ. 大学拡充計画の推進
Ⅱ. 入試情報の提供強化
Ⅲ. 教育内容の充実
Ⅳ. 学生支援の強化
Ⅴ. 教員の人材確保
Ⅵ. 研究機能の充実
Ⅶ. 同窓会・生涯学習の支援
Ⅷ. 地域・産官学連携の推進
Ⅸ. 国際交流の推進
Ⅹ. 組織マネジメント改革(SDを含む)

優れたQOLサポーターの5つの要件と各ドメインの役割

概念図

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