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学長メッセージ

平成26年度卒業式式辞

平成27年3月11日 新潟医療福祉大学学長 山本正治

今日は北風が強い日ですが、確実に春の訪れを感ずる頃となりました。そして旅立ちの時を迎えました。この良き日に学部の卒業式と大学院の修了式を挙行できることを大変うれしく思います。
学部の卒業生は789名です。特に今回は臨床技術学科から初の卒業生81名が加わりました。大学院を修了される方は修士課程が32名、博士後期課程が4名です。学部と大学院合わせて825名となります。学長として卒業される全ての皆さまに心から「おめでとう」と申し上げます。保護者の方々にもお祝いを申し上げます。今日のこの良き日を待ち望んでおられたことと存じます。ここに至るまで色々な面でご苦労もあったとお察しします。またご来賓の方々には、年度末のお忙しい中ご臨席賜り、心から御礼を申し上げます。本学の教員並びに事務職員の方々にも御礼を申し上げます。

今日は3月11日ですが、ちょうど今から4年前に東日本大震災が発生しました。学部を卒業される皆さまは大震災直後に入学されました。大学院を修了される皆さまの多くは当時、学部学生又は社会人として震災を体験されたことと思います。私は学長として、大震災後に挙行した卒業式や入学式のことを今でも忘れることができません。今日は当時を振り返り、入学式式辞の一節をあらためてここで紹介します。
「大震災で入学式を行わない大学がありますが、本学は行います。入学生諸君には、これからの日本の復活を支援するために、今日そのスタート台に立っていただきたいからです。入学式は黙祷で始めました。また華美にならないようしました。諸君は質素ですが重々しい入学式に参加しているわけですので、自分が生かされてこの場にいることを感じ取っていただきたいと願っています。」以上が4年前の式辞です。
学部卒業生にとっても大学院修了生にとっても、震災後の4年間はいかがだったでしょうか。

今日は旅立ちの日であります。そこで旅立ちに関連して、「自分らしく生きる」ことをテーマにお話しします。最初に、スティーブ ジョブズという名前を聞いたことがありますか。iPhoneやiPadを作っているアップル社を創設した人です。スティーブ ジョブズは2005年、スタンフォード大学の卒業式に招かれ、自分の生い立ちのことや、すい臓がんに罹っていることを告白し、自分の人生観について余すことなく若者に語りかけました。結びの言葉は“Stay hungry,stay foolish.”でした。“ハングリーであれ、愚かであれ”と訳されています。この言葉はスタンフォード大学の卒業生の心を捉えたに違いありません。私が想像するに、彼らはアメリカン ドリームを体現したスティーブ ジョブズの名言に感動すると同時に、卒業後の自分の将来と重ね合わせたに違いありません。
スティーブ ジョブズはそれから6年後の2011年に亡くなりました。NHKはスピーチを聞いた卒業生のその後を追ったドキュメンタリー『スティーブ・ジョブズの子どもたち~ハングリーであれ 愚かであれ~』を、2012年に作製しました。このドキュメンタリーで、卒業生は厳しい状況に置かれていることが明らかになりました。特に2008年のリーマンショックは大変だったようです。このショックは、アメリカン ドリームに一歩近づいた卒業生においても、成功は単なるドリームであったことが分かり、本当の幸せは別のところにあることを気づかせたようです。
アメリカン ドリーマーであったスティーブ ジョブズは、自分の体験を通して本当の幸せとは何かを若者に伝えたかったのではないでしょうか。
このように考えると“Stay hungry,stay foolish.”の意味も分かってきます。“Stay hungry”とは、“(若い時に抱いた)ハングリー精神を持ち続けよ”と訳したいと私は思います。スティーブ ジョブズの別の名言“進み続けよ、決して安住してしまってはいけない”と同じ内容です。また“Stay foolish”は“(若い時に抱いた)愚直な心のままであれ”と訳したいと思います。これも別の名言“人生は限られている。だから誰かの人生を生きて時間を無駄にしたりしてはいけない。他者の考えに惑わされて、自分自身の心の声を聞き逃してはいけない”と同じです。
この考え方は日本の禅の考え方に近いと感じました。スティーブ ジョブズは若い頃、カリフォルニアで禅の修業をしているからです。その時の禅師は、新潟県加茂市出身の乙川弘文という曹洞宗の和尚さんでした。以上のことから私が得た結論は、“卒業後の厳しい社会にあっても、日々向上心を持って自分らしく生きなさい”とスティーブ ジョブズは言っているに違いありません。

まとめをします。今日の卒業式は東日本大震災から丁度4年目です。そこで、私たちはこの世に生かされていることに感謝し、これからの私たちは、何ができるかを考える機会としたいと思います。
東日本大震災の後遺症に加えて、これからの日本は、世界の政治・経済・金融の変化と連動して厳しい状況に置かれるかもしれません。しかしどのような厳しい状況に遭遇しても、日々向上心を持って自分らしく生きていただきたいと願っています。
最後に再度、皆さまの卒業を心からお祝いして学長式辞とします。

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