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大学概要

学長メッセージ

平成28年度入学式式辞

平成28年4月7日 新潟医療福祉大学学長 山本正治

希望に満ち溢れた春をお迎えのことと思います。この良き日に新潟医療福祉大学の入学式を挙行できることを大変うれしく思います。学部の入学者は4学部11学科で、編入生を含めて999名です。大学院は修士課程の30名、博士後期課程の10名です。全体で1039名となります。
入学された皆さま、ご入学おめでとうございます。皆さまを心から歓迎します。保護者の皆さまにおかれましても、この入学式を心待ちにしておられたことと存じます。ご子息・ご令嬢の入学をお祝い申し上げます。また本日は、ご来賓の方々をお迎えしております。年度初めのお忙しい中ご臨席を賜りましたことに、心からお礼を申し上げます。

さて、学長からご入学された皆さまに贈りたい言葉があります。それは「手に一冊の本を取ってみよう」です。本日は、この言葉を身近に感じていただくために、又吉直樹さんを取り上げます。ご存知の方も多くいらっしゃると思いますが、又吉直樹さんはお笑いタレントとして活躍しながら小説を書き、昨年7月、『火花』という作品で芥川賞を受賞されました。ピース又吉直樹、さらに略してピース又吉と言った方が分かりやすいかもしれません。私は親しみを込めてピース又吉と呼ばせていただきます。
高校卒業と同時に吉本総合芸能学院・東京校に入学したピース又吉は、卒業後、紆余曲折を経て「ピース」を結成し、現在に至っています。趣味は読書と音楽鑑賞ですが、特に読書については夢の中で活字が躍り出すほどの読書家だそうです。

そのことから、芥川賞を受賞する前の一昨年6月、「本との出会い、本のすばらしさ」をテーマとした座談会が、彼と大学生たちとの間で開かれました(全国大学生活協同組合連合会主催)。この座談会開催の発端は、今の大学生の約4割が「紙の本」や「電子書籍」の別を問わず、全く読書をしないことが明らかになったことでした。読書すると回答した者でも読書時間は一日平均30分弱であり、一方スマートフォンなどの使用時間は3時間にも及びました。読書をしない理由としては、「最新の情報はネットで得られるから」や、「本の情報は古いから」などが挙げられていましたが、皆さまはいかがでしょうか。
この件に対するピース又吉の考え方をご紹介しますと、「本の情報は古い」に関連して次のように語っています。「本をなんで読むんかって言われると、ただただ面白いからっていうことです。本全般を直接知性と結び付けて考えてないんですよ。本を読んでいるから賢いなんてさらさら思ってない。…自分がなんとなく感じていることが小説の中でビシッと決まったきれいな言葉で整理されて出てきたときに、ああ、そうや、俺が言いたかったことはこれや! とか、なんでここに自分のそう感じたことが、この人は分かってんねやろ! というのが、読書の最初の面白さですね。…広い意味での安心と共感です」と。

さらに「読書の習慣が身についてない」については、「自転車と一緒で、乗れ言われて乗ると安定せえへんし危ないし、怖いし、面倒くさく感じる…。でも、自転車乗れるようになった後の爽快感。それ多分読書の方と似てて、準備期間てやっぱり必要やと思うんです。…騙されたと思って10冊ぐらい無理してでも読んでもらって。そういうふうにしたら変わるんちゃうかな。」(出典:ピース又吉直樹氏と語る「本」の素晴らしさとは)

ピース又吉が「情報の古さ」に対してお話しされたことを私なりに意訳すれば、「読書の面白さは、インターネットのように最新の知識や情報を身に付けることとは違い、人間としてのさまざまな生き方を知ることによる安心と共感である」となります。最新情報はネットから得られる時代においても、自分の考え方や生き方はそれだけで決定できるものではありません。人間の本質は今も昔も変わっていないので、読書を通して“故きを温ね新しきを知ること(温故知新)”が大事なのではないでしょうか。このような読書の面白さを自分から遠ざける理由は何もありません。入学式という人生の節目において、もう一度本を読むことについて思いを新たにしていただきたいと思います。10冊とは言いません。まず1冊の本を手に取ってみてはいかがでしょうか。それが「紙の本」であっても「電子書籍」であっても構いません。そこから自分の考え方や生き方を決めるのに役立つ一言が見つかると思います。

これから始まる大学生活が充実したものになることを祈念すると同時に、私たち教職員一同、皆さまの夢実現のために惜しみない支援をすることをお約束して、学長式辞と致します。

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