新潟医療福祉大学
救急救命学科 定員55名 2017年4月新設
日本海側唯一の4年制“救急救命士”養成学科
関連する複数資格の同時取得により、
あらゆる場面で人の生命を救う“救急救命士”を育成!
傷病者を医療機関へ搬送するまでの”プレホスピタルケア(病院前救急救命)”のスペシャリストとして、医学知識と問診・視診・触診・聴診などの観察方法を駆使して、傷病者の状態を評価し、必要な救急救命処置を行います。
また、一般の救急隊員が行う応急処置に加え、医師の指示のもと、気管挿管・薬剤投与・輸液点滴などの高度な救急救命処置を行うことが認められています。救急現場から医療機関へ搬送するまで、医師がいない状況の中で、救急救命士は傷病者の生命を救うリーダーとして重要な役割を担っています。
防災・減災に関する意識と一定の知識・技術を活かし、地域の防災力を高めるための啓発活動に取り組みます。
また、地震や水害などの災害発生時には、公的機関による救護・支援が到着するまでの間、地域や職場のリーダーとして避難所の運営や支援活動などを行います。
「生命を救う」最前線で活躍する
高い判断力と実践力を兼ね備えたスペシャリストを育成。
本学科では、救急救命士国家資格の取得に必要な科目を“必修科目”として配置し、卒業時に学生全員で「救急救命士国家試験受験資格」を取得します。また、防災・減災について学ぶ科目を配置した本学独自のカリキュラムにより「防災士資格」を同時取得します。
さらに、「第一種衛生管理者(国)」や、救急救命士業務に関連する「一次救命処置」、「病院前の外傷観察・処置」、「突然の心停止に対する蘇生法」など、多様な資格取得に対応し、学生は希望に応じてマルチライセンスの取得を目指すことができます。
本学科では、自衛隊や消防機関、病院などの幅広い職域で勤務経験を持つ教員をはじめ、消防機関で30年以上の勤務経験を持つ教員や救急救命士養成校での教育経験豊かな教員、医師免許を持つ教員を配置しています。これら多様な経歴・経験を持つ教員の指導を通じて、病院前救急救命に関する知識・技術はもちろん、生命に携わる職務を担うための強い責任感と使命感を養っていきます。
また、防災分野の専門家として、中越沖地震や東日本大震災の発生時に行政機関で災害救護の対応にあたった経験を持つ教員を配置し、防災・減災に関する専門技術・知識についても学ぶことができます。
救急救命士として消防機関等の公的機関で活躍するためには、救急救命士国家試験の合格に加え、公務員採用試験に合格することが必要です。そこで本学科では、早期より”国家試験“と”公務員採用試験”の対策を並行して実施するほか、学生一人ひとりの学習状況に応じて個別指導を行う「担任教員制」を導入するなど、ダブル合格に向けた万全のサポート体制を構築しています。
救急救命士の国家試験受験に必要な専門科目に加え、実際の救急救命活動を見据えた実践的な科目を配置し、高い実践力と判断力を兼ね備えた「救急救命士」を育成します。
総合大学のメリットを活かし医学系科目を学ぶ 医療系総合大学である利点を活かし、国家試験に必要となる医学系科目について各専門科目に精通した教員を担当教員として配置し、きめ細かい指導を行います。
救急現場での実践力と判断力を磨く 最新の人体シュミレーターなどを使用して救急救命活動を体験的に学ぶ「学内実習」と、消防機関や病院で実際の傷病者を対象に実践力を磨く「学外実習」を実施し、救急現場で求められる高い実践力と判断力を養います。
救急現場で求められるコミュニケーション技術を学ぶ 救急救命士は、現場で様々な情報を得るための高いコミュニケーション力が求められます。本学科では「コミュニケーション演習」を必修科目として配置し、傷病者やその家族に対するコミュニケーション技術を学びます。
救急救命活動に必要な体力づくりを学ぶ 救急救命士は、長時間におよぶ職務に当たることもあり、基礎体力の維持・向上が不可欠です。また、搬送業務においては、より効率的な身体動作で自らの身体への負担を軽減することが重要です。本学科では、「専門体育基礎・実践」を必修科目として配置し、職務に必要な体力づくりやボディメカニクスを学びます。
救急救命士は、限られた人員であらゆる症状に対して迅速かつ的確な処置を行うことが求められるため、傷病者個々の状況を把握し、自身が行うべき役割を認識した上で合理的な活動を行うことが必要となります。この科目では、実際の救急現場を想定した実習を通じて、傷病者に対する観察・評価法を学び、救急救命活動に関する基礎的な技術を身につけます。
災害はいつどこで発生するかを予測することは困難ですが、生命を守るためには日常における防災の取り組みが重要となります。この科目では、防災士資格の取得に向けて、過去に発生した地震などの自然災害を事例に、防災対策や避難行動、避難所運営などについての講義を通じて、災害発生時に的確な行動に移すための必要な知識を学びます。
救急救命士は、救急現場において、恐怖や不安などの感情を持つ傷病者や周囲の人々から、的確な情報を収集することが求められます。そのためには短時間で信頼関係を築くための高いコミュニケーション力が必要です。この科目では、高齢者や小児およびその家族を対象として、救急救命活動に必要なコミュニケーション技術を身につけます。
本学では、保健・医療・福祉・スポーツの総合大学であるメリットを活かし、他学科の学生が混成で学ぶ「連携教育」を導入しています。連携教育を通じて、様々な医療専門職の役割を理解し、将来、救急救命士としてチーム医療を実践するために必要な関連職種との連携について学ぶことができます。
救急救命学科専用の実習室を配置し、救急救命士として必要な様々なスキルを実際の業務に即して学ぶことができます。
傷病者の観察・評価および救急救命活動全般に関する実習を行います。様々な状況をシミュレートするために十分な広さを確保し、救急救命士に必要な基本技術を身につけます。
住居内での救急救命活動を想定した実習を行います。実習室には、キッチンやトイレ、浴室など整備し、実際の救急現場に近い環境で実践的な技術を身につけます。
交通事故や災害など、屋外での救急救命活動を想定した実習を行います。交通事故を想定した実習では、実際の車両を用いて車内からの搬送などについて訓練し、対応力を磨きます。
救急車内での活動を想定した実習を行います。実際の救急車を使用し、走行時の揺れや狭い空間での処置などを体験的に学びながら救急救命士としてのスキルを磨きます。
充実した実習資器材を活用した訓練・実習を通じて、実践的な技術を身につけることができます。
呼吸や脈拍、心電図などを表現できる人体シミュレーターです。各種設定により、様々な病態を再現することが可能で、救急救命処置のトレーニング器材としても使用できます。
傷病者を搬送するための移動式担架で、通常は救急車に積載されています。高さ調節や椅子型への変形が可能で、傷病者の容態や状況に応じて様々な使い方ができます。
傷病者に動揺を与えないように、その他固定器具と組み合わせて全身を固定する板状の担架です。主に外傷傷病者に適応し、状況により救出器材としても使用されます。
傷病者の呼吸や脈拍、血圧など生命微候を継続的に観察することができるモニターです。また、心停止時に必要な電気ショックを行うこともできます。
気管挿管用器材や手動式人工呼吸器など、気道・呼吸管理を行うための器材および口内や喉に詰まった異物を取り出すための器材が収納されたバッグです。
コンパクトな自動式人工呼吸器で、救急隊は主に呼吸機能が停止した傷病者に使用します。傷病者の呼吸状態に応じて様々な設定が可能です。
気管挿管時や口腔内の確認を行う際に使用する器材です。先端にライトが装備されており、口腔内の深部まで観察することができる仕様になっています。
外傷に対応するために必要な、ガーゼや三角巾、はさみ、テープなどの器材のほか、プレホスピタルケアに必要な器材がコンパクトに収納されているバッグです。
プレホスピタルケア(病院前救急救命)を担うスペシャリストとして、“あらゆる救急の場面”で、その知識や技術を発揮できる救急救命士は、消防機関をはじめ、自衛隊や海上保安庁、医療機関、民間企業など幅広いフィールドで活躍することが期待されています。
ますます高まる“救急救命士”の社会ニーズ
救急出動件数の増加に伴い“救急救命士”へのニーズが拡大!
超高齢化の進展に伴う急病者の増加などを背景に、救急出動件数は2015年までの10年間で約80万件も増加し、今後更に増えることが予想されています。こうした状況を受け、総務省消防庁では救急車に同乗する救急救命士の常時1名確保を推進し、また将来の方向性として乗車人数を2名体制とすることが議論されるなど、高度な救急救命措置を行うことができる「救急救命士」へのニーズはますます拡大しています。
高度な知識と技術が求められる救急救命士。
平成26年中の救急搬送による病院収容所要時間の平均は39.4分※で、10年前と比較し約9.4分延伸しています。厚生労働省はプレホスピタルケア(病院前救急救命)における救命率の向上を目的に、救急救命士が行うことができる処置範囲を年々拡大し、2014年の救急救命士施行規則の改正では、”心肺機能停止前の重症傷病者”に対する救急救命処置を可能としています。このように、生命を救うスペシャリストとして救急救命士の役割はますます重要となり、より高度な知識・技術を有した「救急救命士」の育成が求められています。
※出展:平成27年版 救急・救助の現況(消防庁)
救急救命学科長メッセージ
健全な人間性や倫理観、使命感を持ち、救急救命医療の最前線で活躍できる「生命を救う」スペシャリストを育成します。
救急救命士は、様々な救急疾患、事故や災害などにより救急搬送が必要な傷病者に対して、その状態を把握し、必要な処置を施しながら医療機関まで搬送する”プレホスピタルケア(病院前救急救命)”の中心として大きな責務を担います。また、生命に関わる重症傷病者に対しては、高度な救急救命処置を実施し、生命の保全を最大限に図ることが求められ、まさに「生命を救う」スペシャリストとして、その活躍がますます求められています。このような救急救命士には、救急医療に関わる専門的な知識・技術はもちろん、的確な考察力と判断力、コミュニケーション力、リーダーシップが必要とされ、また何よりも健全な人間性や倫理観、使命感を持つことが不可欠です。
本学科では、これら救急救命士に求められる資質・能力をすべての学生が修得できるよう、充実したカリキュラムと最新の施設・設備を整備し、「救急医療の最前線で活躍し、地域社会に貢献したい」という志を持つ皆さんを最大限にサポートする体制を整えています。日本の救急医療の明日を担う熱意と意欲溢れる皆さんの入学を待っています。