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健康栄養学科

教員紹介

増田 紘之写真

健康科学部/健康栄養学科

増田 紘之
Hiroyuki Masuda
助手

プロフィール

専門分野運動生理生化学
学位・称号/取得機関/取得年修士(学術)/東京大学/2010年
最終出身校東京大学大学院総合文化研究科(博士課程満期退学)
過去の経歴中央大学保健体育研究所 トレーニング・コーチング研究班 準研究員を経て現職
所属団体・学会等日本体力医学会、日本運動生理学会
競技歴陸上競技(中長距離)

業績等

研究領域運動、トレーニング、エネルギー代謝
研究紹介運動時の主たるエネルギー源は糖です。体内に貯蔵できる糖であるグリコーゲンの量には限りがあるため、糖の枯渇は筋疲労の主要因と成り得ます。一方で、脂質に比べて糖は利用しやすいことから、エネルギーの需要に応じてエネルギーを産生するために理がかなっていると言えます。そこで我々は、実験動物にマウスやラットを用い、運動時における骨格筋糖代謝がどのように調節されているかを明らかにし、次いで運動のアスリート等に向けては、効率的な運動トレーニングによる糖代謝能力の向上を目指して研究を行っています。

1. 糖の利用は、運動時に必要に応じて高まる
運動時のエネルギー供給は、解糖系と酸化系の2つに大別されます。運動強度が高まるに連れて糖の分解が高まっていき、酸化系を構成するミトコンドリアで糖を利用できる以上に分解が高まると、解糖系も動員されて乳酸が産生します。また、円滑なミトコンドリアでの糖利用が妨げられると、筋の発揮張力は顕著に低下します。ミトコンドリアでの糖利用を調節する酵素にはピルビン酸脱水素酵素(PDH)が挙げられ、様々な要因によってリン酸化修飾を受けることで調節されていると考えられます。PDH活性は、運動時に必要以上に高められにくいと考えられており、我々もPDHの補酵素であり、抗疲労効果が期待されるビタミンB1を過剰に投与してみましたが、やはり運動時に糖利用を容易に高めることは難しいことが確かめられました。
また安静時にビタミンB1を与えると、糖利用を高めるばかりか、寧ろ脂質利用が高められたことから、別談ですがビタミンB1の持つ機能として、細胞膜を構成する脂質の生合成を高める経路が活性化されている可能性を検証してみたいと考えています。

2. トレーニング効果を効率よく高めるためには、どうしたら良いか?
 運動時のエネルギー産生に大きな役割を担う糖の代謝能力は、どの様な運動を行うことで、効率の良いトレーニング効果として得られるのでしょうか。骨格筋で十分なトレーニング効果を得るためには、少なくとも乳酸性作業閾値(LT)以上の強度での運動を実施する必要があると考えられます。また近年では、強度の高い運動を行うことで、短い時間で骨格筋の代謝適応が得られることから、より効率の良いトレーニングだと考えられ、各種の疾患患者の運動療法にも取り入れられています。我々は、LTを超えるような高強度運動が骨格筋の代謝適応にもたらす分子機序を明らかにしていき、アスリートの競技パフォーマンス向上には、実際にどれ位の運動強度(最大酸素摂取量の何%の運動)を、どれ程の時間続ける必要があるのか、提案できたらと考えています。
著書1) 増田紘之 他(2015) 「乳酸をどう活かすかⅡ」 八田秀雄編著 杏林書院 pp76-91
研究論文1) Matsunaga Y, Tamura Y, Takahashi Y, Masuda H, Hoshino D, Kitaoka Y, Saito N, Nakamra H, Takeda Y, Hatta H. Pre-exercise casein peptide supplementation enhances enzyme activities in slow muscle fibers but not in fast muscles. J Phys Fitness Sports Med, 4: 377-384, 2015
2) Hoshino D, Tamura Y, Masuda H, Matsunaga Y, Hatta H. Effects of decreased lactate accumulation after dichloroacetate administration on exercise training-induced mitochondrial adaptations in mouse skeletal muscle. Physiol Rep, 3: e12555, 2015
3) Masuda H, Masuda T, Hatta H. Effect of thiamin (Vitamin B1) on carbohydrate metabolism at rest and during exercise. J Phys Fitness Sports Med, 4: 337-341, 2015 4) 中村純子,星野良介,増田紘之,吉村豊.陸上長距離選手を対象とした科学的サポートースポーツ理学療法の取り組みと効果ー.中央大学紀要,33: 91-107, 2015. 5) Tamura Y, Matsunaga Y, Masuda H. Takahashi Y, Takahashi Y, Terada S, Hoshino D, Hatta H. Postexercise whole body heat stress additively enhances endurance training-induced mitochondrial adaptations in mouse skeletal muscle. Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol, 307, R931-R943, 2014 6) Kitaoka Y, Mukai K, Aida H, Hiraga A, Masuda H, Takemasa T, Hatta H. Effects of high-intensity training on lipid metabolism in Thoroughbreds. Am J Vet Res, 73: 1813-1818, 2012
7) Hoshino D, Kitaoka Y, Masuda H, Hatta H. Adaptation of Monocarboxylate Transporters in Skeletal Muscle. Adaptive Medicine, 4: 2-9, 2012
8) Kitaoka Y, Masuda H, Mukai K, Hiraga H, Takemasa T, Hatta H. Effect of training and detraining on monocarboxylate transporter (MCT) 1 and MCT4 in Thoroughbred horses. Exp Physiol, 96: 348-355, 2010
9) Masuda H, Matsumae H, Masuda T, Hatta H. A thiamin derivative inhibits oxidation of exogeneous glucose at rest, but not during exercise. J Nutr Sci Vitaminol, 56: 9-12, 2010
研究業績1) 研究活動スタート支援 (H26-H27)
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