今村ゼミ

今村徹教授写真

今村 徹
Toru Imamura
教授

患者さんの障害や疾患という未知の現象に取り組み、解明する力を養う

今村ゼミ写真 患者さんは本質的に未知の存在です。説明書や仕様書をぶら下げて私たちの前に現れたりはしません.言語聴覚士になって現場に立てば、ほかの誰かが患者さんの障害や疾患を調べて、検査や訓練の方法を指示してくれるわけではないのです。一人ひとりの患者さんの障害や疾患という未知の現象に取り組み、自分でそれを解き明かさなければなりません。「自分のわからないことに取り組んでわかるようにする」‥‥これを教員とともに実践するのが卒業研究の目的です。


<卒業研究の目的>
言語聴覚学科で学ぶ目的は、言語聴覚士国家試験に合格して資格を得ることだけではありません。学科での学びの中で,以下の3つについて、その基礎を修得することが目標です。

  1. 障害や疾患についての知識と情報‥‥言語聴覚士国家試験でこれが問われます。
  2. 一人ひとりの患者さんと適切にコミュニケーションするための技術‥‥これは主に臨床実習で試されます。
  3. 一人ひとりの患者さんが持つ障害や疾患という、本質的に未知の現象に取り組んで解明する力‥‥これを学ぶのが卒業研究の役割です。

<卒業研究の内容と方法>
今村ゼミでは、高次脳機能障害学や神経心理学に関する症例研究もしくはデータ研究で卒業研究を行います。
症例研究は、大学の関連施設の患者さん、または学生が実習先で経験した患者さんで、症例報告するに足る興味深い点を持っている方を対象とします。ご本人ご家族から同意をいただいた上で、学生は各施設に通って患者さんの診察・テストを行い、症例報告として論文にまとめます。今村ゼミ1-5期生25名中の5名が症例研究に取り組みました。
データ研究には、過去の患者さんのデータをカルテなどから集計して分析する逆向研究と、一定の期間を決めて受診した患者さんやご家族にお願いしてデータを収集させてもらう前向研究があります。データ研究のフィールドは、大学の関連施設である新潟リハビリテーション病院の物忘れ外来が中心です。逆向研究は 1-5期生の15名が、前向研究は5名が、それぞれ取り組みました。
具体的な研究テーマは、3年生後期に今村ゼミに所属して数ヵ月活動してから教員と相談して最終決定します。卒業研究の論文はおおむね4年生の秋に完成させ、最終的には学術雑誌に投稿して審査を受けることを目標にします。1-5期生25名は全員がこの目標まで到達しました。大学院に進学するなどして研究を継続し、2つめ、3つめの研究を発表する卒業生も何人も出てきています。

<卒業研究ゼミの活動>
卒業研究だけが卒業研究ゼミの活動目的ではありません。
今村ゼミの学生は、新潟リハビリテーション病院の臨床の場でも活動します。了承をいただけた外来患者さんの病歴聴取や診察、神経心理学的テストなどを見学したり,簡単な評価を実践したりします。また教員の指導を受けながら患者さんについての資料を作成し、カンファランスでプレゼンテーションする機会も豊富にあります。こうした活動は、卒業研究のテーマを決めて進めていくための準備段階であると同時に、医学的知識やコミュニケーション技術の習得にも役立ちます。

<今村ゼミの特徴>

  1. 臨床の場に接する場面が多い:言語聴覚士の仕事だけではなく、病院や施設の臨床全体と接することができます。
  2. 学年ごとのつながりがある:研究テーマを上級生から下級生に引き継いだり、ゼミでまとまって学会に参加・発表したり、3・4年生と卒業生が一緒に活動する場面がたくさんあります。
  3. 時間的な束縛は比較的多い:ゼミ中心の生活というほどではありませんが、ゼミは所属学生の生活のある程度大きな部分を占めることになるでしょう。

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