
平成23年3月9日、本学において認知神経心理学の世界的権威、ケンブリッジ大学のカラリン・パタソン博士と、マンチェスター大学のマシュー・ランボン‐ラルフ教授による講演会が行われました。講演のタイトルは、「意味とその障害」についてで、近年研究が盛んになっている意味認知症や意味記憶障害と、意味障害により生じる言語障害のメカニズム、及びそれらの回復プロセスについて、英語と日本語のスライドを使用し、難解なテーマについてもわかりやすくお話していただきました。
今回の講演は本学言語聴覚学分野の渡辺眞澄准教授がお二人と知り合いであることから実現し、大学院公開講座の一環として開催することができました。当日は、本学教員・学生は勿論、学外の専門職の方の参加もあり、多くの来場者で会場が埋めつくされました。
それぞれの講演の終りに出された会場からの複数の質問に、お二方とも丁寧に回答してくださいました。講演後の懇談会でも本学教員や学生と熱心に意見交換をするなど、終始和やかなムードの中、講演を終了することができました。
| 専門的知識と 応用力を備えた 人材の育成 |
言語聴覚学分野では基礎的、臨床的さらには実践的な研究を推進し、学問体系の確立を図ることはもちろん、高度専門職業人として社会のニーズにこたえられる、より深い知識と応用力を備えた人材の育成を教育目標としています。 |
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| 大学院ならではの 施設・設備 |
言語聴覚分野大学院生室は第一研究棟3階にあり、言語聴覚学科教員の研究室がすぐ近くにあります。気軽に各分野の専門教員から話を聴くことができます。院生専用のパソコンも設置されています。実験実習棟の音声・音響学実習室には音声音響分析の機器、言語実習関係では各種検査機器や器具、聴覚実習室や防音室には聴力検査機器や補聴器関係・人工内耳関係の設備がそろっています。 |
| 臨床に根ざした 視野の広い 研究の実践 |
言語聴覚学分野は、臨床に根ざした幅広い領域にテーマを求めて研究に取り組んでいます。研究は言語と聴覚の障害及び機能障害の評価と訓練のみに限定されません。例えば、MMSEの記憶課題を改良して臨床により有用な評価指標を作成した一連の研究(伊藤ら、2005など)、アルツハイマー病患者の遂行機能障害がセルフケアに与える影響を分析した一連の研究(舘川ら、2008など)、等です。 |
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言語聴覚学分野においてはいまだに解明されていないことがたくさん残されています。日ごろ大学の講義で聴講したこと、または臨床実習で経験したこと、さらにはすでに言語聴覚士として臨床に携わっている中で多くの問題が残されていることに気づかれることでしょう。また、言語聴覚学の分野は多岐にわたっていることも大きな特徴です。臨床においても治療・訓練の対象となるクライアントは多種多様で、日々新たなる挑戦が続いているのではないでしょうか。大学院における研究テーマはそういう中から生まれてくるものであるといえます。疑問の解明、新たなる視点の導入とその意義付けなど日々の問題を解決するために、より深く学問的に検証し、普遍的なものとして確立することは大変意義あることといえます。
未解決の問題を解明するために、思考し、実験し、考察する。大学院での研究は学問する楽しさを大いに満足させてくれるものであると思います。
大学院では最終的には論文という形で研究をまとめることが求められています。先行研究の探索と理解、実験とその結果の十分なる考察、最後に自分の考えを文章で表現する。この魅力に満ちた学問の道へ進んでみませんか。