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2016年8月4日

「腰部負担を軽減するアイテム開発」に関する研究

勝平 純司

義肢装具自立支援学科 准教授/福祉用具プランナー、 住環境コーディネーター2級、社会福祉士

■趣味:スノーボード、身体を動かすこと全般
■愛読書:英語耳
■座右の銘:自利と利他

研究を始めたきっかけ

大学3年生の時に貯めたバイト代を使って約2週間単身でカナダへ行きました。現地で障害者施設などを訪問した際、福祉用具を評価、開発する研究所へ行き、福祉用具の研究に興味を持ちました。その後恩師の勧めもあり、大学院に進学してヒトの動作をコンピューターに取り込んで分析する手法であるモーションキャプチャーについて学びました。大学院では、モーションキャプチャーで得られたデータをバリアフリーや福祉用具の評価に活かす方法を考案し、新しい福祉用具の開発を行うようになりました。大学生の時にカナダで見て憧れた仕事を今実際に自分ができていることをとても嬉しく思っています。

 

研究内容

現在は、装着すると腰の負担や痛みを軽減することができるアイテムの開発を行っています。従来からある腰に巻くコルセットなどを長期間装着するとお腹周りの筋肉が弱くなって、症状を悪化させることがあります。私が開発したTrunk Solutionはお腹周りの筋肉を鍛えつつ、腰の負担を軽減することができる画期的な仕組みをもっています。私は、この機構について2013年に特許を取得し、「つけてかっこいい福祉用具」をデザインコンセプトとして2014年にはGOOD DESIGN賞を受賞しました。現在、様々な病院にこのアイテムを貸し出して腰痛を持つ方だけでなく、多種多様な障がいを持つ方に実際に使っていただいています。

 

今後の展望

開発したアイテムを世の中に普及させて腰痛者の数を減らすことが私の使命です。腰痛の方は姿勢が悪いことが多く、私の開発したアイテムを装着してお腹に力を入れて姿勢を治すことで、1300万人もいるといわれる腰痛者の数を減らせるのではないかと考えています。また、現在は腰の負担を軽減するアイテムを開発していますが、今後もヒトの動作を分析した結果を使って新しいアイテムを開発したいと考えています。例えば、つければつけるほど健康になって長生きできるアイテムや、つけてトレーニングすると競技力が向上するアイテムの開発です。実際に東京オリンピックでアスリートが私の開発したアイテムを装着していたら最高ですね!

 

高校生へのメッセージ

義肢装具自立支援学科では義足だけでなく、様々な福祉用具に関して学ぶことができるとともに、卒業研究などで開発に携わることもできます。9月のオープンキャンパスの模擬講義では、私が開発したアイテムを紹介するとともに実際に使用することもできるので、ぜひ参加してください。