2015_作業療法学科_玉越先生

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2015年7月22日

脳卒中後の半身麻痺に対するリハビリの効果に関する研究

玉越 敬悟Keigo Tamakoshi

理学療法学科 助教/理学療法士

担当科目
理学療法基礎評価学II
専門領域
基礎理学療法、神経生理学

■趣味:バドミントン
■愛読書:Brain Repair after stroke
■尊敬する人:大学院の指導教員
■座右の名:才能は有限、努力は無限
■好きな映画:24(洋画ドラマ)

疑問を残したまま大学を卒業

私は、4年制大学を卒業し、理学療法士の資格を取得しました。大学時代には、脳卒中後の半身麻痺に対するリハビリテーションについて専門的に学びましたが、「なぜ治るのか?」「どんなリハビリテーションが一番効果があるのか?」という課題について十分な答えを見い出すにはいたりませんでした。そこで、この疑問を解決するために大学院に進学して研究を続けることにしました。大学院を修了した現在も、その解明に挑み続けています。

 

神経細胞を活性化させるメカニズムを追究

脳卒中後遺症の半身麻痺は、脳卒中による神経細胞の死滅が原因で起こる障害です。理学療法士が行う運動療法は、生き残った神経細胞を活発化させて、脳卒中後の半身麻痺を治すことができます。しかし、脳卒中後の運動療法が生き残った神経細胞を活発化させる詳しいメカニズムは分かっていません。私は、脳卒中を人為的に発症させた小動物に負荷を与え、脳内の神経細胞の観察やタンパク・遺伝子の解析を行い、その詳しいメカニズムを追究しています。

 

画期的な運動療法を生み出したい

脳卒中後遺症の半身麻痺に対する運動療法の効果は、未解明な部分が多く残されています。そのメカニズムを明らかにすることは、科学的な根拠に基づいた適切な運動療法を脳卒中患者に提供することにつながります。また、これまでの運動療法の是正や、新たな運動療法の開発につながる可能性もあります。将来、脳卒中後の半身麻痺をすばやく健常な状態に治すことができる画期的な運動療法が生み出されるかもしれません。

 

理学療法学への貢献を実感

研究当初は、自分の研究が理学療法学に貢献できる研究であるか不安でした。しかし、今ではこの研究の成果について理学療法士から賞賛されることが多く、さらに、日本理学療法士協会から研究奨励賞を頂いた経験から理学療法学への貢献を実感しており、この研究をして良かったと思っています。

 

高校生へメッセージ

9月オープンキャンパスの模擬講義では、脳卒中後遺症の半身麻痺に対するリハビリテーションの効果についての現状と、本研究の意義や重要性を分かりやすく説明したいと思っていますので、奮ってご参加ください。