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メンタルヘルスにかかわる当事者の「知」

杉本 洋

看護学科 講師/保健師、看護師

■趣味:読書(漫画)
■愛読書:キングダム、かくかくしかじか
■座右の銘:今日一日

研究を始めたきっかけ

保健センターで勤務していた頃、担当業務の一つに精神保健業務がありました。精神保健業務を通じて、様々な方に接し、学ぶ中でその魅力を感じました。ただ支援を考える前に、対象となる人々のことを知りたいと思いました。新潟で勤務するようになり、詩の朗読や歌などのパフォーマンス活動を行う依存症や摂食障害などの病気を有する人々と出会い、活動について知りたいと思いました。そしてイベントに参加したり、ボランティアとして手伝いをさせてもらいながら、研究させていただくようになりました。

 

研究内容

研究では、孤立や社会的偏見などに悩まされやすいメンタルヘルス関連の病気を抱える当事者たちの技術や信念とも言える「知」を考えてきました。方法としては活動に参加しながら、様々なものを見せてもらったり、話を伺ったりしてデータを集め分析していきます。最近は、表現などのアクティブな活動が「強さ」ではなく価値ある「弱さ」を生み出す実践という側面を持つのではないかということを考えています。また、イベントを通して形成される強固ではないゆるやかな関係性のあり方、その形成過程や意義についても研究したいと考えています。

 

今後の展望

近年は、自殺者数は減っていても、若年層の死亡に占める自殺の割合は依然として高いなど、メンタルヘルスの問題は深刻です。また、最近は「病者-非病者」、「マイノリティ-マジョリティ」の間で明確な線引きがしにくい状況であるとも言われており、病気ではなくとも多くの人がストレスや不安を抱えている時代です。いわゆる当事者の「知」を知ることで、当事者の力を活かした活動を支援する方法の開発に繋がると思いますし、逆に当事者の「知」から非当事者の人が学ぶべき点も多くあるのではないかと思います。

 

高校生へのメッセージ

保健医療専門職は、援助を必要としている方に対して援助を行いますが、当事者と協力してより良い社会を創ることも重要だと思います。そのための一歩として当事者の実践・生き様の魅力や力を感じてもらえればと思います。

 

 

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