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視野障害による読書困難の他覚的機能評価

村田 憲章

視機能科学科 講師/視能訓練士

■趣味:スノーボード
■愛読書:十二国記、フルーツバスケット
■座右の銘:なんとかなるさ!

研究を始めたきっかけ

視能訓練士は、斜視や弱視をはじめ、眼科のあらゆる疾患に対する検査・訓練を行う眼科のスペシャリストです。私は大学を卒業したのち、大学病院の視能訓練士として勤務していました。外来業務に携わっている中で、視覚に障害を抱える多くの方々に出会いました。中でも緑内障は、視野異常が慢性的に進む疾患で、症状が進行した患者様は「文字を読むことが非常につらい」と生活の質の低下を訴えます。そこで、日常生活における読書困難を他覚的に判断し、患者様にフィードバックできるような研究を行おうと考えました。

 

研究内容

視線解析装置(アイトラッカー)を用いた読書の研究を行っています。アイトラッカーは、角膜(眼表面)の光の反射を捉え被験者の視線の動きを記録します。読書時の視線は、流れて動いているように感じますが、実は「視線が止まっている瞬間」と「次の文字に視線が飛ぶ動き」が繰り返されています。従来、眼科領域における読書の研究は音読時の解析が主流でしたが、アイトラッカーを使用することで黙読時の視線の動きを客観的に評価することが可能です。現在、緑内障性視野障害と黙読の関係性について解析を進めています。

 

今後の展望

眼疾患の多くは、異常があってもそれを自覚することがほとんどありません。緑内障による視野障害も自覚症状に乏しく、気づかないうちに視野異常が進行します。失われた視野は回復することができないため、残存視機能を活かした生活が必要な方も多くいらっしゃいます。私は視野異常の程度と読書困難の関係性を研究することで、Quality of Vision Life (視覚生活の質) を維持・向上を目指しています。 この研究を通して、「眼のリハビリテーション」の方法を模索しています。

 

高校生へのメッセージ

眼球が司る視覚は日常生活を送る上でとても重要です。しかし、多くの方は“見えていることが当たり前”なので眼科に馴染みがありません。模擬講義では、「目の健康を守るスペシャリスト~視能訓練士~」の仕事をたくさん紹介します!

 

 

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