本人写真

19

2016年4月20日

文系も理系も、み~んな集まれ!

栗﨑 由貴子Yukiko Kurisaki

講師

担当科目
命の倫理、成人言語障害学Ⅰ、成人言語障害学Ⅰ演習、基礎ゼミ、連携基礎ゼミ 他
専門領域
失語症古典論の文献研究

■出身地: 石川県金沢市(学生にはフランスのパリ出身ということにしています。もちろん誰も信じてくれませんが・・・・)
■趣味: 眠ること、サボること、なまけること、
      本の乱読・積ん読
■休日の過ごし方: 各地の日帰り温泉や銭湯に行き、パンフレットをファイリングしつつ、「Myランキング」をつける
■座右の銘: 「いつか、いつか」はいつかの「今日」(なまけ癖のツケがまわってくる前に・・・・)
■子どもの頃の夢: 大人になること
■尊敬する人: 地に足をつけて生きている人
■経歴: 急性期・回復期・維持期病棟、総合リハビリテーションセンター、社会復帰支援センター等で勤務後、短期大学専攻科講師を経て現職。失語症発症直後から社会復帰までの全てを網羅した臨床経験を活かして、次世代の言語聴覚士を育てています。

当該学問に興味を持ったきっかけを教えてください。

はじめは、医学的な症例検討や、統計学的な心理社会調査の研究をしていました。それはそれでとてもやりがいがありましたが、生理学的メカニズムや数字の操作に沿った解釈を続けていくうちに、指の間から「とても大切な何か」が砂のようにサラサラとこぼれ落ちてゆく感覚を覚えるようになりました。

そんなある日、全失語の患者さんと出会いました。その方は読書も出来ないし、手紙も書けない。もちろん話すこともできない。でも、毎日ニコニコと朗らかに生活していました。その方の言語治療を担当しているうちに、言語と思考の関係についてもっと専門的に学びたいと思い、そうした関係を知るための学問的基盤が充実している哲学へと研究分野を変更しました。

失語症を科学的見地から解明し治療しようとする素晴らしい言語聴覚士の方々は大勢いらっしゃいます。ですので、私一人くらいは、言語聴覚障害研究の王道から外れて進んでもいいかな~と思っています。脇道や寄り道にはスポットライトはあたりませんが、主幹道路にトラブルが発生したときには絶対に必要な道になるはずです。古代からの先人たちが為してきた業績を次の世代へとつないでゆく、そんな「知の中継地点」としての研究を大切に育んでいきたいですね。

専門領域・研究分野について教えてください。

言葉の不思議、とくに、「思考と言語の関係」を研究しています。
神経科学の歴史の中で失語症への考え方がどのように変化したのか、あるいは、ドイツ哲学やフランス哲学で失語症がどのように理解されてきたのか、についての文献研究が専門です。
また、最近は、失語症者を支えるのは、義務や責任か?それとも愛か?といった倫理学的テーマについても考えはじめています。

哲学や倫理学が医学の役に立つのですか?

よく言われます(笑)。医療技術職になるためには哲学や倫理学などを学ぶ必要はないと考える学生さんは多いですね。

でも医学は人を支える学問であって、対象は「人間という機械」ではない。20世紀に活躍したゲシュヴィンドという神経科学者が自著の中で、人間を哲学で全体的に捉える考え方も、科学で要素の集合体と捉える考え方も、そのどちらもが必要なのだ、と強調しています。 また、ゴルトシュタインという神経科学者は、1947年に出版した『人間―その精神病理学的考察』という著作を、まず、「何を知り得るか?何をなすべきか?何を望み得るか?・・・人間とは何か?」という18世紀の哲学者カントの言葉を引用することからはじめています。歴史上、そうそうたる医学者たちが、哲学や倫理学の重要性を述べているのです。

さらに、わが国の言語聴覚士の歴史を振り返ってみても、まだ国家資格ではなかった時代は、大学で哲学を学んだからこそ言語聴覚の道を志した、という方々がいました。

言語聴覚士は、言語や思考、記憶、知覚といった領域を専門としますから、哲学だけではなく、心理学や言語学、文学など、文系の学問領域を学ぶこともまた専門職の腕を磨くためには欠かせないのです。

言語聴覚障害学を学ぶ楽しさを教えてください。

この学問領域が面白いのは、私のように、理系から文系へと、ポンッ、と移ることができるところです。もちろん、その逆で、文系から理系へと移ることも簡単ですし、その両方を行ったり来たりもできます。医療っていうと、「理系」と思う人が多いと思いますが、言語聴覚士は違います。文系の要素も絶対に欠かすことができない。

きっと、高校生のみなさんの中には、「自分は文系だから・・・。でも、文系に進んでも将来が不安だし・・・・」と進路を迷っている方もいると思います。そのような方はぜひ、自分の特性を活かして医療現場で働いている将来像を思い描いてみてください。もちろん、理系の人も、解剖学や脳科学だけではなく、心理学や言語学などの文系の領域を学ぶことでさらに視野が広がること間違いなし!です。

ですので、理系の人も文系の人も臆することなく言語聴覚士を目指してほしいですね!

言語聴覚学科の目指す資格の活躍の場や、将来性について教えてください。

人間にとっては言葉の力を欠くことはできません。言葉の専門家と言われる言語聴覚士は、コミュニケーションの重要性が叫ばれる現代だからこそ、活躍の場はどんどん広がっていくと思います。
これからは障害のある子供たちを、幼稚園や小・中学校などで直接的に支援する言語聴覚士も増えていくでしょう。また、高齢者への認知症治療だけではなく、認知症予防の観点からも言語聴覚士はますます求められていきます。

先生から見た新潟医療福祉大学言語聴覚学科に在籍する学生について教えてください。

言語聴覚学科の学生さんはみんな心がとても優しいです。常にまわりをよくみて、他人が喜ぶことを懸命に考えて実行しているので、いつも感心しています。
それから、本当によく学びますね。栗﨑ゼミのメンバーもとても真面目です。ゼミでは、私の方が「休みにしようよ~」と音を上げてしまうくらい。その頑張りにはこちらの頭が下がります。
これから言語聴覚士を目指すみなさんは、ぜひ、新潟医療福祉大学言語聴覚学科で学んで、先輩の良いところを受け継いで、将来、立派に活躍して欲しいですね!

次のセンセイを紹介してください!

次は、『同郷ツナガリ』、作業療法学科の能村友紀先生です。能村先生の熱い想いを聞くと臨床の原点に帰ることができます。‘Mr.リハビリテーション’能村先生、出番ですよ!!

そんな、栗﨑先生が在籍する言語聴覚学科の詳細は以下バナーよりご覧ください。

st_b_nm

写真1

哲学研究のために毎週京都へ通っています

写真2

研究室からの景色

写真2

自慢のゼミ生たち

写真2

初代ゼミ生にもらった「感謝状」は生涯の宝物です!