言語聴覚士(国家資格)とは

「話す」「聞く」「理解する」などのコミュニケーション能力や「食べること」に障害を持った人に対して、リハビリを行う専門家。

言語聴覚士とは

言語聴覚士イメージ

「話すこと」や「聞くこと」などのコミュニケーションに障害を持った人や、のどの機能が弱って「食べること」に障害を持った人に対して、検査や訓練などを行い、その回復をサポートします。声や発音の障害、ことばの発達の遅れ、失語症、自閉症など、さまざまな障害を持つ人を対象としているため、子どもから成人、高齢者まで幅広い年齢層の方への支援を行います。

言語聴覚士になるには

国家試験に合格すると免許が与えられます。国家試験の受験資格を得るには次のような方法があります。

  • 1、大学に入学できる者またはそれに準ずる者で、文部科学大臣が指定した学校または厚生労働大臣が指定した言語聴覚士養成所において3年以上言語聴覚士として必要な知識および技能を修得した者。
  • 2、大学、高専、文教研修施設もしくは養成所において2年(高専は5年)以上修業し、厚生労働大臣の指定する科目を修めた者で、文部科学大臣が指定した学校または厚生労働大臣が指定した言語聴覚士養成所において、1年以上言語聴覚士として必要な知識および技能を修得した者。
  • 3、外国で言語聴覚士免許に相当する免許を受けた者で、厚生労働大臣が上記の1、2と同等以上の知識および技能を有すると認定した者など。

言語聴覚士が働く場所

  • 病院など医療機関
  • 介護老人保健施設および社会福祉施設
  • 医療福祉行政機関
  • 言語障害児療育施設
  • 教育・研究機関 など

多くの医療機関が言語聴覚士を必要としています。

人口の約4%、約600万人が、ことば、聞こえ、食べる、コミュニケーションに障害があると言われています。しかし言語聴覚士は、1997年に国家資格となった比較的新しい資格のため、2012年4月までの資格取得者は2万人程しかおらず、多くの医療機関が言語聴覚士を必要としています。さらに、成人や高齢者だけでなく小児の発達障害も対象となるため、障害児施設や特別支援学校などにも活躍の場が広がっています。新入職員としての初任給は、月収244,480円(賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金(時給換算)より算出)が平均のようです。

言語聴覚士の魅力!

病院で働きたい

言語聴覚士は、「話す」「聞く」「理解する」「食べる」ことのリハビリに加え、認知症の早期発見や治療でのニーズも高まり、言語聴覚士の約8割が病院を始めとした医療機関で活躍しています。また、言語聴覚士は勤務時間が規則的であるため、仕事が続けやすいことも魅力の一つです。

子どもが好き

言語聴覚士は、「ことばの発達が遅い」「発音が苦手」「コミュニケーションが苦手」「耳が聞こえにくい」「読み書きが困難」などで困っている子どもたちにリハビリを通じて回復を促し、成長をサポートします。そのため、近年では小児科や発達支援センターなどでも、言語聴覚士のニーズが高まっています。

心理学を学びたい

言語聴覚士は、ことばで自らの訴えを上手く伝えることができない方を対象とすることが多いため、人の心を理解するための「心理学」の知識が重要です。「こころとは何か?」「人間とは何か?」などを学びたい方にオススメです。

探求心を満たせる

言語聴覚士は、「なぜ人はことばを理解できるのか?」「音とはそもそも何か?」など、ことばや音の不思議を理解し、それらの知識を診断や評価に役立てます。また、言語聴覚障害学はまだ解明されていない未知の世界が多いため、探求心の強い方にオススメです。

文系でもOK!

言語聴覚士になるには、医学などの理系領域はもちろん、言語学や音声学、心理学といった文系領域を多く学ぶことも特徴の一つです。また、「ことばの専門職」である言語聴覚士は、医療系国家資格の中でも、読み書きなどの国語力のスキルが求められるため、文系の方にも向いている医療専門職です。

働き方が選べる!

ライフスタイルに合わせて働き方が選べます。言語聴覚士は、医療専門職の国家資格であるため、生涯を通じて働くことのできる仕事です。本学科学生一人当たりの求人数が例年50件近くあることからも分かるように、需要の高い仕事のため、一時的に離職しても再就職先は見つけやすいといえます。さらに、病院や社会福祉法人などは労働環境も適正であることがほとんどで、産休や育休および介護休暇が取得しやすいことが多いです。