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【臨床技術学科】3期生 曽根原拓也さんの卒業研究がClinical Engineeringに掲載されました!

臨床技術学科を今年卒業した3期生の曽根原拓也さんの卒業研究がClinical Engineering Vol.28 No.7に掲載されました。この論文は、「養成施設卒業研究誌上コンペ2016」と題し全国の養成校応募の中から、厳しい審査の結果選出され掲載されました。研究題目は「ブタ気管を用いた気管チューブからの垂れ込み評価システムの構築」です。

曽根原拓也さんは髙橋ゼミに所属しており、「先行論文が少ない研究であったため、大変なことも多くありました。しかしゼミメンバーをはじめとした多くの方の協力あってこその論文だと思います。今回得ることができた経験を活かして、人々の役に立つことができたらと思っています。」と話しています。

以下に研究概要を記載します。

【はじめに】
人工呼吸管理中の気管チューブのカフに起因したトラブルとしてカフ圧不足がある。カフ圧不足に起因した分泌液の垂れ込みによる人工呼吸器関連肺炎(VAP)は深刻な問題であり、適切なカフ圧管理が推奨されている。

【目的】
人工呼吸管理中に気管チューブのカフ上部からの垂れ込みを実際にモニタリングすることは困難なため、ブタの気管を用いカフ上部からの垂れ込みを目視で観察可能なex vivoのシステムを構築して垂れ込みを評価したので報告する。

【方法】
呼吸回路の先にブタ気管に留置した気管チューブを接続し気管の先にはテスト肺を装着した。換気モード:SIMV、一回換気量:500 mL、呼吸回数:15 回/min、吸気時間:1.0 秒、PEEP:0,5 cmH₂Oとした。擬似分泌液として、着色した蒸留水を流量4 mL/hで注入した。カフ圧を10~20 cmH₂Oの範囲で調節し垂れ込みの有無を確認した。

【結果】
カフ圧10、15 cmH₂Oの場合、PEEP0 cmH₂Oではカフ下部への垂れ込みが確認されたが、PEEP20 cmH₂Oでは確認されなかった。しかし、PEEP5 cmH₂Oの場合はすべて確認されなかった。

【結語】
今回ブタ気管を用いて気管チューブのカフ上部からの垂れ込みについて、評価システムを構築したことで垂れ込みの様子を目視により確認することができた。

>>臨床技術学科の詳細はこちら
http://www.nuhw.ac.jp/faculty/medical/mt/