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【理学療法学科】萩原康雄助教(人類学・解剖学Lab、大学院博士課程2年生)らの研究論文が国際誌に掲載されました!

萩原康雄助教(人類学・解剖学Lab、大学院博士課程2年生)らの論文が国際誌『American Journal of Physical Anthropology』に掲載されました。
以下に研究概要を記載いたします。

Authors: Yasuo Hagihara, Takashi Nara

Journal: American Journal of Physical Anthropology

Title: Morphological Features of the Fibula in Jomon Hunter-Gatherers from the Shell Mounds of the Pacific Coastal Area

【要旨】
目的:
現代日本人の祖先集団の一つである縄文時代人は、11000-300BCに日本列島に居住していた狩猟採集民族である。我々は縄文時代集団の腓骨の骨幹部形態を、経時的な活動習慣の変化や、男女間の性的分業の存在を検討するために、日本列島に由来する歴史時代、現代集団と比較した。

方法と目的:
東日本太平洋沿岸部の貝塚遺跡から出土した縄文時代人骨(男性:107個体、女性:97個体)を対象とし、それらは縄文時代中期(3000-2000BC)と縄文時代後晩期(2000-300BC)の2集団に分類した。この2集団と、弥生時代(男性37個体、女性28個体)、中世(男性56個体、女性56個体)、近世(男性51個体、女性50個体)、現代(125個体、女性68個体)集団の腓骨と脛骨の骨幹部形態を比較した。

結果:
縄文時代後晩期の男性では、縄文中期や弥生時代以降の集団と比較して、腓骨の断面積と腓骨と脛骨の相対的な断面積の値が最も大きい。このような時代特異的な差は女性では小さく、そのため縄文後晩期で性差が最も大きい。

考察:
この結果は縄文中期から後晩期にかけて男性の活動習慣が変化した可能性を示す。縄文後晩期男性の頑丈な腓骨は、彼らの活動習慣が内陸部や山間部へのより長い距離の移動を伴うものであった可能性を示唆し、これは中期から後期にかけて生じた気候や環境の変化が影響した可能性がある。

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http://www.nuhw.ac.jp/faculty/medical/pt/

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