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【理学療法学科・運動機能医科学研究所】中村雅俊講師(理学療法学科、運動機能解析・アスリートサポートLab、運動機能医科学研究所)らの研究論文が学会誌に掲載決定!

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中村雅俊講師(理学療法学科、運動機能解析・アスリートサポートLab、運動機能医科学研究所)らの研究論文が、日本体力医学会の学会誌である「体力科学」に掲載されました。以前より継続しているストレッチングに関する研究です。

タイトル:
ストレッチングはまとめたほうが有効?分けても効果は同じ?
― 回数や1回の時間を変えても全体の時間を合わせると効果は同じ! ―

研究内容の概要:
ストレッチングの中でもリハビリテーションで多く用いられる筋肉をじわっと伸ばすスタティックストレッチングの効果として筋の柔軟性の増加があります。その弊害として、筋力などが低下することも多く報告されています。これまでの研究ではストレッチングの長さの違いに効果の違いなどが研究されていましたが、全体の時間を同じにして、1回のストレッチングの時間や回数を変化させた時の効果は分かっていませんでした。そこで本研究では、合計時間を2分間にして、①60秒間のストレッチングを2回、②30秒間のストレッチングを4回、③10秒間のストレッチングを12回にしたときの筋の柔軟性と筋力の変化を検討しました。その結果、全ての条件でストレッチングを行った後に筋の柔軟性は増加し、筋力は低下しましたが、全ての条件の間で差はありませんでした。つまり、ストレッチングの時間を変えることや、ストレッチングの回数を変えても、全体の時間が同じになった場合にはストレッチングの効果は同じであることが明らかになりました。なお、本研究結果は、「体力科学学」に掲載予定です。

研究者からのコメント:
スタティックストレッチングは、スポーツの前後やリハビリテーションで用いることが多いストレッチングの1つです。このストレッチングの効果に関しては数多くの研究が行われてきましたが、今回は、ストレッチングの合計時間を統一させた状態で1回のストレッチング時間を変えることや、ストレッチングの回数を変えた場合の効果を検証しました。この研究で分かったことは、①2分間のスタティックストレッチングは筋の柔軟性を増加さえるが筋力を低下させる、②合計時間が同じであれば効果は同じになる、ということです。この結果より、様々な場面で使われているストレッチングの科学的根拠に繋がることと、臨床場面やスポーツ場面における応用が期待されます。

本研究成果のポイント:
①合計時間を同じにした状態でストレッチングの時間や回数を変えた点
②筋の柔軟性の評価を超音波画像診断装置を用いた点
【図1】http://www.nuhw.ac.jp/topics/news/20170210.pdf (33.4KB)

原著論文情報:
中村雅俊、池添冬芽、西下智、梅原潤、市橋則明.スタティックストレッチングが腓腹筋筋腱複合体の筋力及びスティフネスに及ぼす影響の検討:異なるストレッチング時間と反復回数を用いた検討.体力科学

>>運動機能医科学研究所の詳細はこちら
http://www.ihmms.jp/

>>理学療法学科の詳細はこちら
http://www.nuhw.ac.jp/faculty/medical/pt/

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