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【理学療法学科】清野涼介さんの研究論文が、国際誌『Journal of Strength and Conditioning Research』に掲載されました!

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清野涼介さん(理学療法学科15期生、大学院修士課程2年、応用理学療法Lab、運動機能医科学研究所)の研究論文が、国際誌『Journal of Strength and Conditioning Research』に掲載されました!
今回の研究は、スポーツ現場で最近よく見る「フォームローラー」の効果について研究した内容です。詳しい内容は以下に紹介します。

5週間のフォームローリングが柔軟性と筋の硬さを変化させるのか?

研究内容の概要:
近年、臨床やスポーツ現場において器具を用いて自身でマッサージなどを行う手技が注目されており、その中にフォームローラーを用いたフォームローリングがあります。その効果として実施直後に柔軟性改善やパフォーマンスが向上すること、さらに6週間実施すると柔軟性改善効果は静的ストレッチングと同程度であることが明らかになっています。しかしながら、実施直後の柔軟性改善効果のメカニズムの検討は少なく、長期介入のメカニズムは明らかになっていませんでした。そこで今回は、5週間のフォームローリングが柔軟性と筋の硬さに与える影響を検討しました。5週間のフォームローリングの結果、関節可動域(柔軟性)は増加しましたが、筋の硬さには変化がありませんでした。今回の研究の結果より、フォームローリングによって筋の硬さの変化が変化することで関節の柔軟性が増加したのではなく、関節の柔軟性に影響を及ぼす因子の一つである筋肉を伸ばした時に生じる感覚である伸張感が変化し、その結果、関節の柔軟性の増加に関連していることが明らかになりました。

清野さんからのコメント:
柔軟性改善のツールとしての代表格といえば静的ストレッチングです。しかし、静的ストレッチングには実施直後にパフォーマンスが低下するデメリットが存在するとされています。一方、フォームローリングではストレッチング同様に柔軟性改善効果があるだけでなく、パフォーマンスを向上もしくは変化させないメリットがあります。しかし、そのメカニズムが明らかになっていないことから介入の目的や対象を特定することは困難でした。そのため本研究で5週間のフォームローリングによって柔軟性は向上するが、筋の硬さは変化せず、伸長に対する耐性の増加が関与していることが明らかになりました。この結果は、スポーツやリハビリテーション現場で柔軟性改善を目的とした介入方法の選択肢の1つとして有益な情報となることが期待できます。

本研究成果のポイント:
① 5週間のフォームローリングの効果に着目した点
これまでフォームローラーを用いた長期介入効果についてはあまり検討されておらず、長期的な介入により関節の柔軟性が増加するという報告と変化しないという報告があり、まとまった結論がありませんでした。
http://www.nuhw.ac.jp/topics/news/2006151.pdf (33.1KB)

② フォームローリング介入における関節の柔軟性の変化のメカニズムを検討した点
5週間のフォームローリング介入により関節可動域が11.7%増加し、そのメカニズムとしては伸張感に対する慣れの変化が関連していることを明らかにしました。
http://www.nuhw.ac.jp/topics/news/2006152.pdf (35.5KB)

③ 最先端の技術であるせん断波エラストグラフィー機能で筋の硬さを評価した点.
本研究で使用した超音波画像診断装置の画像の一つです。この機能で筋に伝わるせん断波の速度から筋の硬さである弾性率を算出し、その弾性率を指標としてフォームローラー効果を検討しました。その結果、5週間のフォームローリング介入によって筋の硬さには変化が生じなかった事が分かりました。
http://www.nuhw.ac.jp/topics/news/2006153.pdf (13.4KB)

原著論文情報
Kiyono R, Onuma R, Yasaka K, Sato S, Yahata K, Nakamura M. Effects of 5-weeks foam rolling intervention on range of motion and muscle stiffness. Journal of Strength and Conditioning Research [in press]

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