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【理学療法学科】松澤寛大さんらの研究論文が国際誌に掲載されました!

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松澤寛大さん(理学療法学科15期生、大学院修士課程2年、スポーツ医科学Lab、運動機能医科学研究所)と江玉睦明教授(理学療法学科、スポーツ医科学Lab、アスリートサポート研究センター、運動機能医科学研究所)らの研究論文が国際誌に掲載されました!



【研究成果】
前腕にある浅指屈筋の各指の筋腹がどこから起始しているのかを明らかにしました!

研究の概要
野球選手に好発する肘障害の1つに尺側側副靭帯損傷があります。
肘へのストレスを減らすためには指を曲げる筋肉の一つである浅指屈筋が重要と報告されていますが、効果的なエクササイズや浅指屈筋の各指の起始部構造は報告されていませんでした。
そこで本研究は、浅指屈筋の各指の起始部構造を詳細に検討しました。
その結果、3・4指は全例で橈骨、前方・後方共同腱から起始していました。
一方、2・5指には違いが認められ、2・5指が前方・後方共同腱、尺側側副靭帯前部線維束、その他の軟部組織から筋線維が起始するTypeと、2指が前方共同腱と連続する腱から起始し、5指が前方・後方共同腱、尺側側副靭帯前部線維束、その他の軟部組織から起始するTypeが認められました。
本研究結果から、2・5指または5指の収縮は尺側側副靭帯前部線維束に張力を生じさせること、全ての指の収縮は共同腱を介して肘の安定性に寄与する可能性が示されました。
現在は、各指の筋腹の肘安定化の機能を検討しています。

本研究は、国際誌『Surgical and Radiologic Anatomy』に掲載予定です。

松澤さんからのコメント
本研究は臨床で用いられている浅指屈筋のエクササイズを、より科学的根拠に基づいて実施するために行った基礎研究です。ご遺体を対象に行った研究であるため、アスリートのけがの予防や治療に有用であるかどうかは明らかとなっていません。しかし、このような研究を積み上げることが重要だと考えています。また本研究が、患者様、アスリートを評価・治療する際の一助となれば幸いです。今後は本研究結果を基に、各指の筋腹の肘安定化の機能を検証し、有効な予防法や治療法を開発していきます。けがで苦しむアスリートを1人でも多く減らせるよう精進していきます。

研究のポイント
1.浅指屈筋の各指の起始部構造を明らかにした点(下図:左肘、内側方)

http://www.nuhw.ac.jp/topics/news/20616.pdf (144.7KB)

(A)(a)3・4指の起始部構造.3・4指は、橈骨、ACT、PCT、から起始し、1つの筋腹を構成し、3・4指に分岐した(赤線)白矢印:後方共同腱

(B)(b)2指、5指が共通の起始部を有する構造、ACT、PCT、AOL、その他の軟部組織から筋線維が起始し(赤線)、2指と5指に分岐するType(18/20肘)3・4指をACT、PCTから丁寧に剥離し(緑色)、ACTとPCTを反転させた

(C)(c)2指、5指の起始部が異なる構造 ACTと連続する腱から筋線維が起始し2指の停止腱(青線)、ACT、PCT、AOL、その他の軟部組織から起始した筋線維が5指の停止腱となる(赤線)Type(2/20肘) 3・4指をACT、PCTから丁寧に剥離し(緑色)、ACTとPCTを反転させた

MEC:上腕骨内側上顆、II:2指、III:3指、IV:4指、V:5指、P:近位、D:遠位

原著論文情報
Matsuzawa K, Edama M, Ikezu M, Kaneko F, Hirabayashi R, Kageyama I. The origin structure of each finger in the flexor digitorum superficialis muscle. Surgical and Radiologic Anatomy. [in press]

>>理学療法学科の詳細はこちら
http://www.nuhw.ac.jp/faculty/medical/pt/

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