高橋榮明学長
ワサビの日本人と唐辛子の韓国人 呉善花 祥伝社黄金文庫 2000
韓国はすぐお隣でありながら、日本人に理解しにくい遠い国ともいえる。文化的にも、民族的にも共通した背景があるにもかかわらず、現在、二つの国民の考え方に大きな違いがあるのはなぜか。著者の呉 善花は韓国の済州島生まれで日韓比較文化論を明快に説明している。
引き裂かれる世界 サミュエル・ハンチントン ダイヤモンド社 2002
21世紀は二つの超大国が覇を競う二極世界が終わり、代わって一つの超大国といくつかの主要な地域大国がしのぎを削るようになった。“9.11“以降の世界を理解するに必読の書である。
緒方貞子という生き方 KKベストセラーズ 2002
20世紀に世界でもっとも活躍した日本人女性である緒方貞子さんは“難民救済の母"となって世界中で活躍してきた。その63歳からの素晴らしい生き方を読んで欲しい。
堀田康雄図書館長
オリガ・モリソヴナの反語法 米原真理 集英社 2002
ソ連・チェコ時代=激動のロシア東欧を生きた伝説のダンサーの生涯。著者はロシア語通訳と教師で、学生時代を東欧で過ごしている。
万能感とは何か 和田迪子 新潮文庫 2002
社会を構成する一人一人の心の持ち方、自分の問題を考え直せる本。生きるための考え方を作るために役立つと思える。
フロイト先生のウソ ロルフ・デーゲン 赤根容子訳 文春文庫 2003
心理療法と医原性精神障害を科学的解析を通して眺める。実証的研究の重要性を示し、他方文化に拠った思い込みが起こる原因を説明している。
高橋一栄(HN教員)
人間の由来(上下)改訂版 河合雅雄 小学館 1997
著者は霊長類研究の第一人者。「サルの起源とヒト化への道。危険なサバンナへ進出したサルは、ついに家族単位で行動するという行動形態を生み出す。ここにヒト化への道が拓かれる。人間はどこから由来するのか?現在の私たちの行動をもふりかえらせる示唆に富んだ良書。」
原敏明(HN教員)
デパートを発明した夫婦 鹿島茂 講談社現代新書 1991
世界初の百貨店ボン・マルシェ創業者ブシコー夫妻は、従業員のため、無料社員食堂、無料独身寮、退職金制度、養老年金制度を始めた。さらに遺言で建設されたブシコー病院は今も400人の病人を収容する。ここは福祉の原点の一つかも知れない。
ネクスト・ソサエティ P.F.ドラッカー ダイヤモンド社 2002
来る社会は、大学等で教育された知識で報酬を得るテクノロジストの時代となる。近年の米英で、最も急増したのは理学療法士や精神科ケースワーカー等など医療テクノロジストであるという。新潟医療福祉大学生諸君、諸君の未来は?
遠藤和男(HN教員)
街道をゆく⑨ 司馬遼太郎 朝日文芸文庫 1995
冒頭「潟のみち」では亀田郷をはじめとして、低湿地を改良してきた人々の苦労が紹介されている。新潟県民にとっては復習となる。県外生は多少とも新潟が理解できるかも知れない。故郷についての巻も読んでほしい。
永井洋一(OT教員)
アスペルガー的人生 リアン・ホリデー・ウィリー 東京書籍 2002
いわゆる「自閉症」に含まれるタイプの女性が、自分がその疾患とは知らずに過ごしてきた半生と、自分の娘が同じ疾患であることを知ってからの人生とを振り返り、「やっと自分に出会えた!」と感激する本です。くだらないドラマよりよほど面白く、一晩で読み通せます。私は他の人とは違っている!というつらい思いから抜け出すには、自分がアスペルガー症候群であるという診断が必要だった。この逆説的な「自分探し」を皆さんはどう受け止めますか?訳者も実は同じ診断名だけに、翻訳にも共感がこもっていて、読んでいて胸が暖まります。
村山伸子(HN教員)
生きることの意味-ある少年のおいたち 高史明 ちくま文庫 1986
この本は、在日朝鮮人二世として日本の戦中・戦後を生きた著者の自叙伝的です。第二次世界大戦を経て、日本と朝鮮という2つの国へのアイデンティティと反発をもちつつ、差別と貧困の中で生き抜いた著者、しかし、12歳の息子の突然の自殺。最初にこの本を読んだのは、中学生だったと思いますが、かつて朝鮮人の友人をもっていた私には、共感できる部分が多く、以降の自分の生き方の原点になった作品です。そして今、変革の時代に、何が本質かを見抜く力が必要とされています。国とは何か、人間とは何か、社会をどのようにつくっていくか、もう一度、考えたい本質的な課題がたくさんつまった本です。
岡村太郎(OT教員)
夜と霧(新版) フランクル みすず書房 2002
「夜と霧」って古い!大昔の書物!みすず書房と聞いただけで英語チックな日本語を思い浮かばれ敬遠なさると思いますが、最近でたばかりの新訳で読みやすくなっています。第二次世界大戦下、ナチスのユダヤ人への迫害を描かれた本です。この本を薦める理由は学生時代にしか考えられない「生きる意味」について考えてほしいという思いがあります。人はいい面や悪い面を秘めて生きています。その人の中で「私が私らしく振る舞える」ってことは簡単なようで難しい。いろんな人と関わりながら「私の振る舞い」は私自身が決めていること、私にとって生きる意味について考えてみるのはいかがですか?
横山豊治(SW教員)
東京大空襲と戦争孤児 金田茉莉 影書房 2002
2002年10月に刊行された本ですが、戦後児童福祉立法の原点となった戦災孤児問題の実態が克明に描かれていると同時に、時節柄、戦争の悲惨さをあらためて考えさせられる1冊といえます。