2013年4月から2014年3月にかけて、月に1回(第4木曜日)、新潟市北区の「豊栄地区公民館」において、年間テーマを「健康長寿をめざして」とし『とよさか中高年教養大学・健康長寿学』を開講しました。この教養大学は、学習のねらいとし「長寿社会の生きがいに、健康の保持に」を掲げ、北区民で構成されている「とよさか中高年教養大学運営委員会」が13科目を開講しているものです。新潟医療福祉大学は、13科目のうちの「健康長寿学」の科目を担当しているもので、受講者は年間で299名でした。
4月 | 「腰はからだのかなめ-ロコモ予防-」 理学療法学科 佐藤 成登志 准教授 |
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5月 | 「活動的な生活を送る」 作業療法学科 能村 友紀 講師 |
6月 | 「血液さらさら?」 健康栄養学科 遠藤 和男 教授 |
7月 | 「臨床検査のあれこれ」 臨床技術学科 長濱 大輔 教授 |
10月 | 「これで納得 脳卒中リハビリテーション」 義肢装具自立支援学科 真柄 彰 教授 |
11月 | 「老人は一日にしてならず」 看護学科 袖山 悦子 准教授 |
12月 | 「健康と運動」健康スポーツ学科 山代 幸哉 助教 |
2月 | 「よく噛むことと長寿」 医療情報管理学科 瀧口 徹 教授 |
3月 | 「心と向き合う」 社会福祉学科 近藤 あゆみ 准教授 |
なお、9月は身長・体重測定、骨密度の測定などの健康チェックを実施するとともに、健康スポーツ学科の中澤翔先生が健康を維持するための体操の指導を行いました。
写真:「よく噛むことと長寿」瀧口徹教授 2014年2月
この講座は、豊栄地区公民館からの委託により、個人のライフスタイルや健康観の多様化に伴い、個人個人が日々のくらしの中から年齢や体力、生活様式に応じて自分に適した正しい知識を身につけ、健康で暮らすことを学びたいという学習意欲に対応するため開講しているものです。
2013年9月に「知って得する在宅介護」を全講座のテーマとし、4回にわたり実施しました。3日は、社会福祉学科介護福祉コースの岡田史教授が「知って得する在宅介護」、10日には、星紀恵子助教が「チョットしたコツで楽になる在宅介護」、17日は健康栄養学科の岩森大講師が「創意工夫で楽しくなる食事」、最終回の24日は社会福祉学科の渡邉敏文准教授が「気持ちしだいで楽になる介護」をテーマに講演しました。この講座には、介護に関心のある区民が30名、全回受講しました。
新潟市中央区の関屋地区公民館において、10月26日、第3回『新潟医療福祉大学市民講座~「健幸都市にいがた」の実現を目指して~』を開催しました。本講座は、「シニア世代に向けて大学の知を発信し、健幸都市づくりのパートナーとしての役割を期待することや、新潟市に所在する保健・医療・福祉・スポーツ領域の総合大学として、市民の健幸づくりに貢献すること、健康に関する学術的な知識を提供し、市民自ら主体的かつ自律的な健幸づくりの実現に寄与することを目的とし、開催したものです。
講座は、2講座開講し、言語聴覚学科の佐藤克郎教授よる「耳・鼻・のどの病気 ~耳鼻咽喉科では何をしているのか~」と視機能科学科(2014年4月開設)の阿部春樹教授による「加齢に伴う眼の病気の治療と予防」をテーマとし、和やかな雰囲気のもと53名の参加者があり、市民に好評を得ました。
写真:「耳・鼻・のどの病気 ~耳鼻咽喉科では何をしているのか~」佐藤克郎教授 2013年10月
新潟医療福祉大学と北区は、2010年3月に、地域福祉の発展と人材の育成に寄与することを目的として、「包括連携協定」を締結し、福祉や保健分野はもとより、広くまちづくりや産業活性化に関しても、連携しながら取り組みを行っています。また、新潟医療福祉大学では、2001年4月の開学時から大学の理念に「地域貢献」を掲げ、地域との連携を深めてきています。特に大学が所在する新潟市北区との連携においては、これまで様々な取り組みや事業を実施しています。
当委員会では連携の更なる推進を図るため、新潟市北区区民をはじめ自治体、保健・医療・福祉・スポーツ・教育分野等の関係者や学生など、地域住民や地域産官学連携に関心のある方々に対して、本学での取り組みを紹介し、連携推進に向けた情報共有の機会として新潟市北区との共催により2012年度からフォーラムを開催しています。今年度も引き続いて「第2回地域連携推進フォーラム」を開催し、今後の更なる連携推進に向けた情報共有と意見交換の場を設けるに至りました。
目的 | 北区と大学との連携による「健幸づくり対策事業」及び「農商工連携による特産物づくり事業」の具体的活動について、区民並びに関係者に広く紹介しました。北区と大学との連携による「次世代人材育成事業」の趣旨と初年度の活動を報告し、事業の効果的かつ円滑な実施に向けた方策等について、区民並びに関係者と意見交換を行いました。 |
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期日 | 2014年2月22日(土)午後1時30分~午後3時30分 |
会場 | 北区文化会館 |
主催 | 新潟医療福祉大学、新潟市北区 |
共催 | 新潟市北区小学校長会、新潟市北区中学校長会 |
対象 | 市民、学校関係者、青少年育成協議会関係者、地域コミュニティ協議会関係者、健幸づくり対策事業関係者、農商工連携による特産物づくり事業関係者等 |
北区区民(小学生を含む各年齢層、地域コミ協関係者、学校関係者、各種事業への参加者等)、北区関係者、本学教職員ならびに学生など約209名の参加(一般受付約140名、来賓等フォーラム関係者を含む学校・北区関係者約40名、運営教職員・学生29名等)により、予定通り実施されました。
第1部では、「健幸づくり対策事業」と「農商工・学連携による特産物事業」をテーマとして活動報告がおこなわれました。まず北区の「健康福祉課」と「産業振興課」からそれぞれ事業説明と活動報告があり、続いて『健幸づくり対策事業について』(健康スポーツ学科)と『北区と連携したさつまいもスイーツの商品化について~耕作放棄地を活用して~』(健康栄養学科)の具体的な取り組み紹介が、教員・学生より行なわれました。これらの報告には、地域で実際に活動へ参画した住民や業者からのコメントもフロアから加わり、いずれも連携活動参画への高い評価を受けました。また、第1部終了後には休憩が挟まれ、事業の成果として開発されたスイーツ-おいちーたると-の試食会が行われました。「おいちーたると」は、北区農業委員会・産業振興課と健康栄養学科の学生・教員が開発に携わり、活動参画業者であるボンクールSAITO様によって商品化に漕ぎ着けたスイーツです。短時間の試食会となりましたが、用意された「おいちーたると」は大変な好評ぶりでした。
第2部では、ゲストコーディネーターとして山田彩乃さんをお迎えし、「北区における次世代人材育成の未来について考える」をテーマとして活動報告がおこなわれました。葛塚小学校児童からは、陸上指導、水泳指導などのスポーツ指導を受けた体験について報告がなされました。また南浜中学校生徒からは、スポーツ指導、総合学習の時間におけるサツマイモ栽培においても指導を受けた体験について、ならびに日本語指導を受けた外国籍生徒からは、指導の体験や日本の生活、文化に触れた体験を通じて報告がなされました。大学生の活動への取り組みとしては、まず社会福祉学科学生から「アーリーロード」および「太夫浜わくわくランド」という活動が紹介されました。「アーリーロード」では主に地域の中・高校生らを対象に、おしゃべり、勉強、ゲーム、卓球などをして地域の人たちと交流を深めていることが報告されました。「太夫浜わくわくランド」では小学校を活用し、子どもたちに安心安全な遊び場を提供するとともに、異年齢交流により、心豊かなたくましい子どもたちを育み、地域の教育力の活性化を図っていることが報告されました。続いて健康スポーツ学科学生からは、(1)学生の専門性の発揮(2)コミュニケーション力の向上(3)大学の地域貢献を目的とした、小・中学校における陸上や水泳での指導の様子が報告されました。最後に、助言者として北区の小学校と中学校の校長会会長からそれぞれ講評を頂きました。
オープニング:吹奏楽部演奏 |
開会挨拶:山本 正治 学長 |
開会挨拶:中澤 晃一 北区長 |
健幸づくり対策事業の概要: |
活動事例報告: |
農商工・学連携による特産物事業の概要: |
活動事例報告:健康栄養学科学生 |
事業参加者の声:ボンクールSAITO様 |
『おいちーたると』試食会 |
『おいちーたると』 |
大学生と児童生徒によるミニ・フォーラム: |
事業創設の経緯および趣旨: |
体験紹介:葛塚小学校児童 |
体験紹介:南浜中学校生徒 |
体験紹介:南浜中学校外国籍生徒 |
体験紹介:健康スポーツ学科学生 |
講評:北区小学校長会会長 |
講評:北区中学校長会会長 |
質疑応答 |
フォーラムの様子 |
南浜地区の耕作放棄地解消を目的に、昨年度から北区農業委員会と本学健康栄養学科の教員・学生がサツマイモの共同栽培をおこなっています。去る8月20日(火)に同委員会と共同で、本年度の第1回収穫をおこないました。今回の収穫は、スイーツ等の試作を早期に開始できるよう、一部の苗を先行的に植栽したものの取り入れでした。
当日は朝から強い雨が降っていたため、収穫作業の実施が危ぶまれていましたが、幸いにも作業開始の少し前から天候が回復し、予定通りに収穫がおこなえました。農業委員による懇切丁寧な収穫法指導の後、マルチ撤去やサツマイモの掘り出し、ツルの片付けなどの役割を分担して作業が進められました。
農業委員会5名と教員・学生14名の参加を得て、新品種のサツマイモであるシルクスイートを中心に約125kgを収穫できました。まったくの手作業であったため、作業量はかなり多くなりました。それでも、「昨年よりも出来が良い」との声が多く上がり、これまでの苦労が報われた収穫作業となりました。
9月27日(金)には、第2回の収穫もおこなわれました。こちらは植栽した苗数がはるかに多かったため、今回を大幅に上回る収量となりました。収穫されたサツマイモは、大学祭での出店や商品化に向けた試作品作りなどに有効活用されました。北区農業委員会および北区産業振興課との話し合いが後日あり、次年度も引き続きサツマイモの植栽と収穫を継続するとの方針が決まりました。
参加学生によるマルチ撤去 |
大きなイモの収穫に喜ぶ参加学生 |
農業委員の方から収穫法を教わる参加学生 |
言語聴覚学科の教員が参加して開設した言語発達支援センターには、これまで80名以上の子どもたちが訪れています。最も遠い地域は上越市ですが、そのほとんどは大学周辺の地域です。一番多い地域は聖籠町・新発田市で約30名の子どもたちが来ています。その他の多くは新潟市北区、東区、中央区で合わせて20名以上となっています。
今でも定期的に通ってきている子どもたちは30名以上だと思いますが、子どもたちも親御さんたちも熱心に通ってきてくださいます。開設当初に来た子どもは、もう小学2年生になりました。言語発達支援センターの活動も長く続いてきたと感じています。これもこのセンターを必要としてくれている地域の方々がおられるからだと感謝申し上げます。
言語発達支援センターでの臨床は、学生にとっては貴重な経験の場にもなっています。学生に検査をさせてほしいとお願いすると、ほとんどの親御さんは快く引き受けてくださいます。学生にとっては非常に緊張する場面ですが、その分何物にも代えがたい経験となっています。教員としては感謝に堪えません。
このような地道な活動が明日の言語聴覚士を育て、センターに来ている子どもたちの成長を促しているのだと思います。また、最近ではカウンセラーによる保護者のカウンセリングも始まりました。まだまだ活動は緒についたばかりですが、定期的なカウンセリングを受けておられる方もいます。言語発達支援センターに通い続けている子どもたちも多くなってきて、これまでのような活動が維持できるかどうか心配な面もありますが、地域の要望がある限り応えていきたいと思っています。
写真:学生が子どもの検査をしている様子