2026.09.22
「データサイエンス」と聞くと、どんなイメージがありますか?
・AIをつくる人が学ぶもの?
・数学やプログラミングが得意な人向け?
・なんだか難しそう……。
そんなイメージを持っている人も多いかもしれません。でも、実はデータサイエンスは、みなさんが思っているよりずっと身近な存在です。例えば、YouTubeを開いたら「あなたへのおすすめ」が出てくる。音楽アプリを使ったら、「あなたが好きそうな曲」が紹介される。ゲームでは、自分と同じくらいの強さの相手と対戦できる。SNSを見ていると、自分が興味を持ちそうな広告が表示される。スマートフォンやスマートウォッチで、歩数や睡眠時間をチェックする。
こうした「なんとなく便利な仕組み」の裏側では、たくさんのデータが活用されています。
今回は、身近な生活の中で、「データサイエンスって、こんなところで使われているんだ!」と思える5つの例を紹介します。
目次
YouTubeやTikTokを見ていて、「なんで自分が好きそうな動画ばかり出てくるんだろう?」と思ったことはありませんか?
音楽アプリでも、「この曲、知らなかったけど好きかも!」という曲がおすすめされることがあります。でも、アプリがあなたの心を読んでいるわけではありません。ヒントになっているのは、これまでの視聴履歴や検索履歴などの行動データです。
例えば、
・どんな動画や曲を見たり聴いたりしたのか
・どんな言葉を検索したのか
・どんな動画や曲に反応したのか
・最後まで見たり聴いたりしたのか
・途中で見るのをやめたり、曲をスキップしたりしたのか
こうしたデータを活用して、視聴者の共通点を分析すると「この人はこんなものに興味がありそう」という傾向が見えてきます。その結果、一人ひとりに合いそうな動画や音楽をおすすめできるようになります。
ゲームをしていて、「あと少しでクリアできそう!」「この人との対戦楽しい!」と思ったことはありませんか?
また、「そういえば、このキャラクター、誰も使ってないな……」と気が付くこともあるかもしれません。
対戦の駆け引きや挑戦、キャラクターを選ぶ楽しさなどは、ゲームの面白さを左右する重要な要素です。ゲームの開発者は、プレイヤーがどのように遊んでいるかを調べ、ゲームをより楽しめるようにするヒントを探すためにプレイヤーのデータを活用しています。
例えば、
・どのキャラクターがどれくらい使われているのか
・キャラクターごとの勝率は、使う人によって違うのか
・どのステージでゲームオーバーになる人が多いのか
・どのくらいプレイするとゲームをやめてしまう人が多いのか
・オンライン対戦での過去の成績はどれくらいか
などを分析することで、ゲームをより楽しめるように調整するヒントが見つかります。
オンラインゲームのマッチングでも、プレイヤーの過去の成績などをもとに、近いレベルの相手と対戦できるようにする仕組みがあります。
つまり、ゲームの「面白さ」も、データから考えることができるのです。
SNSでイベントの広告を見て、思わず詳しい情報を開いたことはありませんか?
広告を届ける側も、「どんな見せ方なら魅力が伝わるだろう?」と考えています。そこで役立つのが、広告を見た人の反応のデータです。
例えば、音楽イベントを知らせるとします。出演者を大きく載せた広告と、会場で楽しむ様子を載せた広告では、どちらが興味を持ってもらえるでしょうか? これは、実際に反応を比べて確かめられる問いです。
広告が表示された回数や、クリックされた回数、申し込みにつながった件数などを調べます。表示された回数が違う場合は、クリックの回数だけでなく、その割合を比べることも大切です。
また、見る人や配信する時期の違いにも気をつけ、できるだけ条件をそろえて比較すれば、写真や言葉のどこを見直すか考えやすくなります。広告の変更前後や、異なる案を比較するための仕組みもあります。
こうした分析は、発信する側が情報の届け方を考える助けになります。見る側にとっても、自分が参加したいイベントや、知りたかった情報に出会うきっかけになります。データは、情報を「どう伝えるか」を考える場面でも活躍しています。
スマートフォンのヘルスアプリやスマートウォッチを使っている人はいますか?
歩数や睡眠時間、運動時間などを記録できるものもあります。
例えば、
「今日は8,000歩歩いた」「昨日は6時間しか寝ていない」「今週は3日運動した」など、自分の生活を数字で見ることができます。ここでちょっと面白いのが、記録を続けて、日や週、月ごとのたくさんのデータを集めてみることです。
例えばこんな発見があるかもしれません
・部活がある日は歩数が多い
・毎日同じくらい寝ているつもりでも、テスト前は睡眠時間が短い
・今月は20万歩歩いてるけど、先月より少ない
自分の感覚と記録を比べると、自分では気づかなかった新しい自分を発見できるかもしれません。こうした発見は、自分の生活を振り返り、これからの目標を考える手掛かりになります。
スポーツや運動をするときにも、データを活用していますか?
もし、スポーツで頑張っているのに記録が良くならないと感じている場合、記録を見てみると改善のヒントを得られるかもしれません。
身近なランニングでも様々な記録を取ることができます。
・走った距離
・走った時間
・走るペース
・心拍数
・走ったコース
自分のペースが落ちる区間や距離があるのか、記録が良かった時の心拍数と比較してどうなのか、記録が悪い時は天候も悪いかも、など、自分のパフォーマンスの傾向が見つかるかもしれません。
「今日は頑張った!」という感覚も大切ですが、データを見ると、自分の変化を数字で確認できます。自分のベストパフォーマンスの時を客観的に知ることで、次の改善の手がかりを得ることができます。
ここまで紹介した5つの例を、もう一度見てみましょう。
①動画・音楽のおすすめ
② ゲームのマッチングやバランス調整
③ SNS広告
④ ヘルスアプリ
⑤ スポーツ・運動
一見すると、まったく違うものに見えます。でも、実は共通していることがあります。それは、「知りたいこと」に合わせてデータを集め、比べたり関係を調べたりして、次の判断に役立てることです。
そこには、予想外の傾向や自分の思い込みに気づく面白さがあります。そして、その発見は、作品を探す手間を減らしたり、生活や練習の計画を立てやすくしたりする便利さにもつながります。
「この人は何が好きなんだろう?」
「このゲームはどうすればもっと面白くなる?」
「自分の生活にはどんな傾向がある?」
「どうすればもっと速く走れる?」
こうした疑問に対して、データを集めたり、分析したりすることで答えを探していきます。
ここで改めて、「データサイエンスとは何なのか?」を考えてみましょう。データサイエンスとは簡単にいうと、さまざまなデータを集めて分析し、そこから新しい発見や予測、課題解決につなげる学問です。
大切なのは、単に数字を計算することではなく、「知りたいこと」や「解決したいこと」に合わせて、データを使って問題を考えるということです。
例えば、ゲームなら「どこを調整すれば、プレイヤーにもっと楽しんでもらえるか?」。ヘルスアプリなら「自分の生活にはどんな傾向があるのか?」。スポーツなら「速く走るために、どこを見直せそうか?」。
改善を目指すときには、「何をもって目標に近づいたと判断するか」も、最初に考えておきます。そして、データ分析を通して分かったことに応じて問いを見直したり、データを集め直したりしながら、理解や改善を深めていきます。
そして、ここがデータサイエンスの面白いところ。
データサイエンスは、データそのものが好きな人だけのものではありません。
eスポーツ・ゲームが好きなら、eスポーツ・ゲーム×データ。
スポーツが好きなら、スポーツ×データ。
健康に興味があるなら、健康×データ。
音楽が好きなら、音楽×データ。
自分の「好き」とデータサイエンスを組み合わせることで、身近な「なぜ?」を確かめたり、「もっとこうしたい」を実現する方法を考えたりできます。知らなかったことを発見する面白さと、その発見を生活や活動、社会に役立てる便利さ。その両方が、データサイエンスを学ぶ魅力です。
<まとめ>
動画や音楽、ゲーム、SNS、ヘルスアプリ、スポーツ。こうして見てみると、データを活用した仕組みは、特別な場所だけにあるものではありません。私たちが毎日使っているサービスの中にも、たくさんあります。普段は「便利だから使っている」だけかもしれません。
しかし、その便利な仕組みの裏側では、たくさんのデータが活用されています。これからYouTubeを見るとき、音楽を聴くとき、ゲームをするとき、運動をするとき。
「これって、どんなデータを使っているんだろう?」
「データを集めたら、どんなことが分かるんだろう?」
そんなことを少し考えてみてください。いつもの生活の中にも、データサイエンスの面白さを発見できるかもしれません。データサイエンスは、「AIやプログラミングが得意な人だけのもの」でも、「遠い未来の技術」でもありません。実はもう、あなたの毎日のすぐそばで活用されています。そして、「ゲームが好き」「音楽が好き」「SNSをよく使う」「健康に興味がある」「身近な疑問について考えるのが好き」といった興味も、データサイエンスを学ぶきっかけになるかもしれません。
いつもの生活の中にも、データサイエンスの入り口があります。
自分の「なぜ?」を、データを使って考えてみること。
それも、データサイエンスの面白さの一つです。
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