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高周波ランダムノイズ脳刺激は脳活動とパフォーマンスを変化できない! 山代准教授らによる研究論文が、国際誌(2 月 20 日付)に公開されました!

この度、新潟医療福祉大学 健康スポーツ学科 山代幸哉准教授、佐藤大輔教授らの研究グループは、高周波ランダムノイズ脳刺激が脳活動とパフォーマンスを変化できないことを明らかにしました。
また、本研究成果は、国際誌 Scientific Reports (2 月 21 日付)に公開されました。


新潟医療福祉大学健康スポーツ学科 山代幸哉 准教授


 

研究成果のポイント
1. 高周波ランダムノイズ刺激(tRNS)が感覚野や運動野の興奮性を高め、関連するパフォーマンスを向上することが報告されてきましたが、高次脳領域への適用が脳活動を高め、パフォーマンスを改善するかは報告が少ないのが現状でした。本研究では、この問題を検証し、本実験のプロトコ ールでは効果がえられないことを示しました。
2. 本研究成果から、tRNS の作用機序について少なくとも経頭蓋直流電流刺激(tDCS)とは異なる機序であることが示唆され、本実験の tRNS の刺激パラメーターや刺激タイミングが高次脳領域および高次脳機能に影響を与えるものでないことが明らかになりました。

 

【研究概要】
高周波ランダムノイズ刺激(tRNS)を用いて高次脳領域への効果について検討しました。これまでの研究では、高次脳領域への効果についてはバラつきが大きく、課題はパフォーマンスを改善するものと改善しないものに分かれていましたが、脳活動とパフォーマンスについて同時に検証したものは非常に少ない状況でした。そこで、本研究ではtRNS を用いてヒトの行動抑制に関わる脳領域である背外側皮質を刺激し、その際に記録される脳活動と Go/Nogo 課題の反応時間とエラー率について、体性感覚と聴覚の2つの領域で検討しました。
その結果、tRNS は高次脳領域の脳活動を変化させず、それに伴う課題成績も変化させることができませんでした。このことは、tRNS の効果が、感覚野と高次脳領域で異なることを示しました。本研究成果は、tRNS の作用機序について示唆を与えるものであり、臨床現場で使用される経頭蓋脳刺激の刺激効果の高いプロトコールを考案するために役立つ知見であると考えています。

 

■研究の詳細についてはこちら
https://doi.org/10.1038/s41598-023-30261-3

 

■研究に関する問い合わせ先
山代 幸哉(やましろ こうや)
新潟医療福祉大学 健康科学部 健康スポーツ学科 准教授
〒950-3198 新潟県新潟市北区島見町1398番地
E-mail:yamashiro@nuhw.ac.jp  TEL: 025-257-4757

 

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