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【理学療法学科】江玉睦明教授と島根大学(大谷浩教授)との共同研究が国際誌に掲載されました!

江玉睦明教授(理学療法学科、スポーツ医科学Lab、アスリートサポート研究センター、運動機能医科学研究所)と島根大学(大谷浩教授)との共同研究が国際誌『Surgical and Radiologic Anatomy』に掲載されました。
足関節捻挫の際に最も損傷しやすい前距腓靭帯は胎児のときにすでに複数のタイプが存在することを明らかにしました。

[研究の概要]
ヒトの前距腓靭帯は、足関節内反捻挫をした際に最も損傷しやすい靭帯です。
この靱帯は通常2本の線維束で構成されていますが、1本の線維束のタイプや3本の線維束のタイプが存在することが高齢遺体を対象とした解剖学的研究で明らかにされています。

我々の先行研究では、3本の線維束のタイプの前距腓靭帯は、他のタイプと比較して足関節の制動機能が異なり足関節内反捻挫のリスクが高いことが明らかとなっています。
しかし、解剖学的研究の多くが高齢遺体を対象とした研究であり、3本の線維束のタイプは損傷により形成されたものである可能性が示唆されています。
そこで本研究では、胎児遺体(妊娠中期)を用いて前距腓靭帯の線維束数を明らかにすることを目的に研究を行いました。
その結果、胎児の前距腓靭帯は、高齢遺体を対象とした先行研究と類似した割合で、1本、2本、3本の線維束のタイプが観察されました。
今回の研究結果から、前距腓靭帯の線維束の数は先天的に構築された構造である可能性が高いことが明らかとなりました。

従って、前距腓靭帯の線維束は足関節内反捻挫のリスク因子の一つとして考えられる可能性が示唆されました。

[江玉教授からのコメント]
本学アスリートを対象とした傷害調査の結果では、足部・足関節障害が最も高い割合を占めています。中でも足関節内反捻挫は最も好発している傷害の一つです。本研究結果をさらに発展させ、一人でも多くのアスリートが捻挫の予防をしながら競技に打ち込めることができるように取り組んでいきたいと思います。

>>詳しい研究内容はこちら
https://www.nuhw-pt.jp/2021/08/-lab20210807.html



[原著論文情報]
Edama M, Takabayashi T, Yokota H, Hirabayashi R, Sekine C, Maruyama S, Syagawa M, Togashi R, Yamada Y, Otani H. Number of fiber bundles in the fetal anterior talofibular ligament. Surgical and Radiologic Anatomy. 2021. [In-press].

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