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【理学療法学科】渡邉拓さんの研究論文が、国際誌に採択されました!

渡邉拓さん(理学療法学科15期生,大学院博士後期課程1年,神経生理Lab,運動機能医科学研究所)の研究論文が、国際誌『Cerebral Cortex』に採択されました。

[研究内容の概要]
Voxel-Based Morphometry(VBM)は、磁気共鳴画像診断装置(MRI)を用いて撮像されたT1強調脳画像の信号強度を基に、ヒトの脳構造を灰白質・白質・脳脊髄液に区分し、それぞれの容積を算出することが可能な脳構造画像解析手法です。
このVBMは同一被験者に対して縦断的に用いることで脳灰白質容積の可塑的変化を検討することが可能であり、多くの先行研究にて一般的に用いられている手法ですが、ヒトの脳灰白質容積がどの程度変動するのかという基礎的な知見が欠けていました。
そこで、私たちは若年健常成人における短期間の脳灰白質容積の変動性を検討するとともに、変動性に寄与すると予想される因子[性別および脳由来神経栄養因子(BDNF)遺伝子多型]が脳灰白質容積の変動性に及ぼす影響を検討しました。
その結果、ほとんどの脳領域(全47領域中46領域)において脳灰白質容積変動性は小さいことが明らかとなりました(ICC > 0.80)。
さらには、女性でBDNF遺伝子多型がVal66Val型の人の脳灰白質容積変動性はわずかに高い傾向がありました。
以上の結果から、ヒトの脳灰白質容積変動性は小さく安定していますが、性別とBDNF遺伝子多型の影響を受けることが明らかとなりました。

>>詳しい研究内容はこちら
https://www.nuhw-pt.jp/2021/09/151labcerebral-cortex-voxel-based-morphometryvbmmrit1vbmbdnf-4746icc-080bdnfval66valbdnf-vbmvbm.html



[渡邉さんからのコメント]
VBMを用いた脳構造画像解析は、比較的簡単にヒトの脳構造を定量的に評価できることから多くの先行研究で用いられています。本研究結果は、このVBMの信頼性を裏付ける基礎的知見として重要であると考えています。

[原著論文情報]
Watanabe H, Kojima S, Nagasaka K, Ohno K, Sakurai N, Kodama N, Otsuru N, Onishi H. Gray Matter Volume Variability in Young Healthy Adults: Influence of Gender Difference and Brain-Derived Neurotrophic Factor Genotype. Cerebral Cortex. In press.

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