大腿骨近位部骨折患者の栄養問題は医療機関で見過ごされている!?臨床的アウトカムを改善させるためにはリハビリテーションと栄養管理を併用した介入の重要性を解説! - 新潟医療福祉大学 研究力

新潟医療福祉大学 研究力

2020.12.21

研究者 井上 達朗

大腿骨近位部骨折患者の栄養問題は医療機関で見過ごされている!?臨床的アウトカムを改善させるためにはリハビリテーションと栄養管理を併用した介入の重要性を解説!

井上達朗講師(理学療法学科,運動生理Lab,運動機能医科学研究所)の研究論文が国際誌『Nutrients』に採択されました!!

井上先生はリハビリテーションに必要な栄養学やサルコペニアという筋肉が萎縮する症候群に関する研究を数多く行っております.今回の研究は高齢者に多い大腿骨の骨折の後の栄養状態についての研究です.栄養についても近年のリハビリテーションにおいては重要な情報となっておます.詳しい内容は以下に説明いたします。

この論文はフリーでダウンロードできるので,ぜひ,興味のある方は以下のURLよりダウンロードして原文を読んでみてください!!

https://www.mdpi.com/2072-6643/12/12/3743

井上先生からのコメント

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本論文は大腿骨近位部骨折の栄養問題に着目し、今までの臨床と研究を振り返って解説した大作となっております(自分で言うのも何ですが...)。

是非ご一読ください。

内容の概要

本レビューでは、高齢者に多い大腿骨近位部骨折の低栄養・サルコペニア・フレイル(下図)に着目し、これまで行われてきた研究を総括した上で、アウトカムを改善させるための必要な「新たな介入戦略」について解説しました。

論文図1.jpg

本論文のポイント

  1. 大腿骨近位部骨折患者の栄養問題は見過ごされている
  2. 大腿骨近位部骨折患者の栄養問題にはリハビリテーションと栄養管理の併用が必要
  3. 低栄養・サルコペニア・フレイルの的確な評価・診断と治療が必要

 

  

原著論文情報

Inoue T, Maeda K, Nagano A, Shimizu A, Ueshima J, Murotani K, Sato K, Tsubaki A. Undernutrition, Sarcopenia, and Frailty in Fragility Hip Fracture: Advanced Strategies for Improving Clinical Outcomes. Nutrients. 2020 Dec 4;12(12):E3743. doi: 10.3390/nu12123743. PMID: 33291800.

【研究者情報】
新潟医療福祉大学 リハビリテーション学部 理学療法学科
講師 井上 達朗(いのうえ たつろう)

主に急性期病院に入院したリハビリテーション対象者の栄養状態やサルコペニア、フレイルが予後に与える影響の研究を行い、実践的で効果的な介入方法を模索しています。