【救急救命学科】准教授らの共同研究グループの論文が国際誌「BMJ Open」に掲載! - 新潟医療福祉大学 研究力

新潟医療福祉大学 研究力

2024.04.15

研究者 大松 健太郎

【救急救命学科】准教授らの共同研究グループの論文が国際誌「BMJ Open」に掲載!

大松健太郎准教授らの共同研究グループの論文が国際誌「BMJ Open」に掲載されました!
2020年からの新型コロナウイルス感染症のパンデミックでは、救急医療体制も大きな影響を受けました。今回、緊急事態宣言等の行動制限が心停止の現場に居合わせた市民による心肺蘇生やAED(自動体外式除細動器)の使用にどのような影響を与えたのかを評価しました。

【研究概要】
本研究は、日本国内で発生した病院外心停止患者が登録される「全国救急蘇生統計データ」と119番通報で救急隊によって病院に救急搬送されたすべての患者が登録される「全国救急搬送データ」を用いたコホート研究です。データベースから住宅外で発生した心停止患者226,182例を特定し、20202021年の新型コロナウイルス感染症感染拡大期(感染拡大期)とそれ以前の20162019年(感染拡大以前)のデータを比較し、心停止の現場に居合わせた人によるAEDを用いた電気ショックの実施に緊急事態宣言などの行動制限がどのような影響を与えたのかについて分析しました。

結果として、感染拡大期にAEDによる電気ショックの実施率が低下していました。2年間の傾向分析では、20204月~5月の第1回緊急事態宣言発令時と感染拡大2年目に有意な低下がみられました。さらにAED設置が推奨されている公共施設とそれ以外の施設について分けて比較するとAED設置が推奨された施設でのみ有意であることが明らかになりました。

感染拡大期の心停止からの社会復帰率(脳機能が保たれた生存率)はAEDによる電気ショックの実施率低下と平行して低下していました(r=0.612p=0.002
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本研究成果は、英国医師会雑誌(BMJ)のオープンアクセスジャーナル「BMJ Open」に掲載されました。

【研究者のコメント】
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救急救命士制度の発足、市民によるAEDの使用解禁や心肺蘇生法の普及などによって年々高まっていた心停止からの社会復帰率は新型コロナウイルス感染症によって低下してしまいました。次なる感染症との闘いに備えて、救急医療体制を見直していく必要があります。

【原著論文情報】
Kentaro Omatsu, Akira Yamashita, Hideo Inaba.
Impact of pandemic-related movement restriction on public access defibrillation in Japan: a retrospective cohort study. BMJ Open 2024;14:e083692. doi: 10.1136/bmjopen-2023-083692

【研究者情報】
医療技術学部 救急救命学科
准教授 大松 健太郎(おおまつ けんたろう)

映像やICTを活用した救急医療教育プログラムの開発を行っています。現在はAR(拡張現実)を用いた心肺蘇生教育用アプリの開発と効果検証などに取り組んでいます。