新潟医療福祉大学 センセイリング

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2012年3月23日

運動による健康づくりを考える

佐藤敏郎Toshiro Sato

健康スポーツ学科 教授

担当科目
体力測定評価、健康運動論、生涯スポーツ論
専門領域
健康科学

■出身地:愛知県
■趣味:いろいろな部活動の試合観戦、マラソン、フライングディスク
■座右の銘:継続は力なり
≪経歴≫
日本体育大学卒。その後保健体育教員を5年、健康運動指導士を18年経験。
健康運動指導士在職中に金沢大学大学院博士課程を終了し、新潟医療福祉大学健康スポーツ学科教員に就任。

佐藤先生の経歴について教えて下さい。

私は日本体育大学卒業後、高等学校・中学校で保健体育教員として5年間勤め、その後18年間、財団法人春日井市健康管理事業団春日井市保健センターにおいて健康運動指導士として中高年者の運動処方の作成、運動実技講習会および体力測定等の仕事に従事してきました。そこでの主な業務は、医学検査・運動負荷試験・体力測定などを行なう「運動健診」の体力測定や運動指導および受診者対象の運動教室の指導でした。周りの医師、看護師、保健師、管理栄養士、臨床検査技師などの医療職に遅れを取らないようにと思ったことと、大量のデータを取り扱ううちに、その分析の必要性を感じ、業務とは別に研究を進めてきました。幸いにも優れた指導者に恵まれ、学会発表や学術論文を公表することができました。さらに、41歳から働きながら金沢大学大学院自然科学研究科博士後期課程に入学し博士号を取得し、45歳から本学にて勤務しています。

佐藤先生の専門領域・研究分野について教えて下さい。

専門領域は、健康づくりのための運動や体力測定を考える健康科学、体力測定評価です。また、健康運動指導士、健康運動実践指導者の資格取得に関することも担当しております。健康づくりのための運動は、近年、総合型地域スポーツクラブや健康増進施設などで中高年者を対象として実践されています。しかし、漠然と健康といっても何をもって健康というのでしょうか?医学的検査によって健康を評価することが妥当だと思われますが、健康は「健康である」「健康でない」と表現されるように状態として捉えられ、健康的と病的は明確に区分するのは困難です。一方、体力は複数の要素から成る概念として理解されており、体力レベルが高いほど健康状態はいいように思われますが、これは概念的な論議が多く、両者の性質を十分に考慮したデータに基づく検討は限られています。そこでこれまでの研究活動としては、健康状態と体力水準との関係の程度の検討や、どのような体力構成要素が健康度に対して貢献しているか?などの研究を行ってきました。また、実際に自分が健康運動指導士として担当していた運動教室の効果の検証も行ってきました。
これらに研究をベースに現在は、中高齢者を対象に運動プログラム作成のための健康関連体力の検討、体力測定方法の開発、健康指標の開発等に取り組んでいます。

佐藤先生の担当授業について教えて下さい。

これまでに担当した授業は、健康づくり運動、体力測定評価、健康運動論、生涯スポーツ論、障害者スポーツ論などです。健康づくり運動は、健康運動指導士の現場実習として本学にて中高年者のための「イキイキ運動教室」を開講し、学生が実際の指導を体験するというユニークな授業です。私が担当する陸上運動では、ストレッチングやウォーキング、バランスボールなどの運動を行い、学生は指導法だけでなく実際に地域の中高年者の方と関わりコミュニケーション能力も磨きます。また、体力測定評価では、幼児から高齢者までさまざまな年代における体力測定法や評価を学んだり、健康運動論では、健康づくりのための運動内容について学習します。さらに、前職では医師や看護師、臨床検査技師などの医療職と連携した業務に当たっていたことから、いろいろな学科と一緒に保健・地域について考える連携学も担当しています。実技科目では,バレーボールやスキーを担当しました。

佐藤先生のゼミ活動について教えて下さい。

私は、健康運動指導士、健康運動実践指導者の養成担当をしているので、ゼミでは、座学だけでなく指導や体力測定などの実践にも力を入れています。前述の「イキイキ運動教室」は、ゼミでも活動しており実践指導力を磨いております。また、国際協力機構(JICA)「生活習慣病予防対策」研修で来日したソロモン・フィジー・マーシャル・バヌアツ・トンガの5カ国、10名の研修員に対し、体力測定、ウォーキング、ストレッチング、トレーニングセンターの運動など4コマをゼミ生と担当し交流を深めました。さらに、近年のジョギングブームからホノルルマラソンをはじめ東京マラソンなどもメディアに取り上げられるようになり中高年者の参加者も増加しています。健康スポーツ学科卒業後「健康運動」に関する仕事に就いた場合、マラソン大会に参加を希望する中高年者に運動指導を行うことも予想されます。その場合、陸上競技が専門でない我々が適切にアドバイスするのは困難です。そこで、一般人のマラソン完走のためのトレーニングを考える、レースへの調整方法を考える、タイムは競わないでゴールは笑顔で走り抜ける、完走の達成感を味わうなどを目的に全員でハーフマラソンに参加しています。その他に公民館での健康体操講座や歩こうNIIGATA大作戦のイベント手伝い、小学生の体力測定、国際交流アルティメット(フリスビー)など、とにかく活動的なゼミ活動を行っております。

健康スポーツ学科の目指す資格の活躍の場や、将来性について教えてください。

健康スポーツ学科では、中学校・高等学校教諭免許(保健体育)、健康運動指導士受験資格、健康運動実践指導者受験資格、アスレティックトレーナー受験資格、アシスタントマネージャー受験資格、トレーニング指導者受験資格、日本サッカー協会公認C級コーチなど様々な資格が取得可能です。中でも私が担当している健康運動指導士は、保健医療関係者と連携しながら、個人の生活や体力に応じて効果的で安全な運動プログラムを作成し指導することを目的とし、財団法人健康・体力づくり事業財団より付与される資格です。活躍の場は、病院、老人福祉施設、介護保険施設や介護予防事業等です。在学中に指定する科目を履修することで受験資格が得られる養成校は、新潟県内では本学だけです。

最後に一言お願いします!

健康スポーツ学科は、平成25年4月に定員増を予定しています。前述のようにいろいろな資格取得にチャレンジできます。さらに、強化指定クラブも男女サッカー部、男女バスケットボール部、水泳部、陸上競技部に加え、硬式野球部、女子バレーボール部、ダンス部が新たに仲間入りします。新しい研究・実習棟や野球グラウンド、陸上競技グラウンドも平成25年3月には完成予定で施設・設備もさらに充実します。このような環境の中、一緒に学びませんか?

次のセンセイを紹介して下さい!

国際協力機構(JICA)「生活習慣病予防対策」研修ツナガリの看護学科の宇田優子先生です。
前職は保健師として活躍されていました。宇田先生宜しくお願い致します。

佐藤先生が在籍する健康スポーツ学科の詳細は以下バナーよりご覧ください。

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イキイキ運動教室の様子です。指導力や実践力を学びながら、地域の方々との交流を図り楽しみながら活動しています。

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集合写真です。皆さん充実した笑顔。健康をサポートしながら、スポーツの素晴らしさを多くの方々に知っていただいています。

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JICA研修員の方々との集合写真。大学として日本で唯一JICAの研修機関として選定されています。

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ゼミに所属する健康スポーツ学科在学生との写真です。みなそれぞれスポーツ・運動の専門職を目指し勉学に励んでいます。また学科内にとどまらず、全10学科の在学生との豊富な交流機会が本学の特徴でもあります。