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【健康栄養学科・健康栄養学分野(大学院)】夏井紗野さんと澁谷顕一准教授らの研究論文が、国際誌に掲載されました!

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夏井紗野さん(健康栄養学科12期生、大学院修士課程2年)、澁谷顕一准教授(健康栄養学科、健康栄養学分野(大学院))らの研究論文が、国際誌「Journal of Behavioral and Brain Science」に掲載されました!

今回の研究では、「たくさん噛むことは本当に脳の活動に影響を及ぼすのか?」という疑問を実際に明らかにしました。
詳しい内容は以下をご覧ください。

【研究概要】
私たちは学校給食や家庭での食事の場面で「よく噛むと頭が働いて成績アップにつながるから、よく噛んで食べなさい」という言葉を一度は耳にしたことがあるかと思います。
一方、日本では高齢者人口が急増しており、2025年には認知症の患者数が700万人に達するといわれています。
認知症の原因として脳の萎縮と脳血流の減少が報告されています。
その予防法の1つとして脳活動の増加をもたらす認知課題や運動が注目されており、ガム咀嚼も脳活動を増加させ、認知機能を亢進するとして盛んに研究が行われています。
咀嚼は脳の様々な領域を活性化する可能性があり、咀嚼と脳活動について多くの研究がなされています。
また、運動が認知機能を改善し、これは運動強度に依存することや、脳活動は運動頻度とともに増加することも報告されています。
仮に、咀嚼を顎と咬筋の「運動」として捉えると、噛む回数を速くすれば(咀嚼頻度を上げれば)、運動の頻度が多くなるので、きっと脳活動も多くなるのではないか?と推測できますが、現在までのところよくわかっていませんでした。
そこで、本研究では、ガムの咀嚼頻度に着目し、咀嚼頻度を増加させることで計算課題中の脳活動がどのように影響を受けるかについて明らかにしました。
具体的には、被験者に脳活動を測定する機械を装着してもらい、計算問題を合計2回行ってもらいました。
そして計算問題の間にガムを5分間噛んでもらい、咀嚼頻度を3条件に分けて、この3つの条件でそれぞれ違いはあるかを調査しました。
その結果、咀嚼頻度を変えても計算課題成績には有意な差が見られませんでしたが、脳活動は咀嚼頻度が一番多い条件のみ高くなることが明らかになりました。
この発見は、運動頻度と脳活動に関する先行研究と一致しており、咀嚼頻度の増加は運動の要素も含むと推測しました。

原著論文情報              
Saya Natsui¹*, Megumi Sato², Tomomi Yokoyama³, Hiromi Inaba⁴, Naomi Kuboyama⁵,Kenichi Shibuya⁴
夏井紗野、佐藤愛、横山和美、稲葉洋美、久保山直己、澁谷顕一
1 Graduate School of Health and Welfare, Niigata University of Health and Welfare Graduate School, Niigata, Japan
2 RESCO Corporation, Tokyo, Japan
3 WELCIA YAKKYOKU CO., LTD., Niigata, Japan
4 Department of Health and Nutrition, Niigata University of Health and Welfare, Niigata, Japan
5 Osaka University of Commerce, Osaka, Japan

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