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【運動機能医科学研究所】山代幸哉講師らが行った研究が「体力科学」に掲載されることが決定しました。

この度、運動機能医科学研究所に所属する健康スポーツ学科 山代幸哉講師らが行った研究が『体力科学』に掲載されることが決定しました。

山代講師は、これまで「ヒトの感覚情報処理」に関する研究を行ってきました。

以下に研究の概要を記載いたします。

著者:
山代幸哉、佐藤大輔、大西秀明、中澤翔、下門洋文、山﨑雄大、丸山敦夫

タイトル:
「テーピングが痛覚関連体性感覚電位に及ぼす影響」

目的:
テーピングはスポーツ医学において怪我の予防、受傷部位の保護、鎮痛などの目的で広く利用されている。しかしながら、テーピングが痛み刺激によって生じる知覚に影響を与えるかどうかについては明らかにされていない。そこで本研究では、選択的に痛みを誘発できる特殊な刺激装置を用いて痛みの脳波に対するテーピングの効果を明らかにすることを目的とした。

方法:
被験者は男性12名とし、痛みの脳波は右手前腕内側部に刺激を呈示することにより記録した。実験はcontrol条件、伸縮性テープ(張力あり)条件、非伸縮性テープ(張力なし)条件の3条件で実施した。
【写真】http://www.nuhw.ac.jp/topics/news/20160524-1.pdf (PDF/23.2KB)

結果:
被験者は痛みの程度をVisual Analog Scale (VAS)で各条件で評価した。その結果、 痛みの脳波は伸縮性テープ条件および非伸縮性テープ条件において、control条件に比べ有意に低下した。VASは、伸縮性テープ条件においてその他の条件と比較して有意に最も低かった。さらに、痛みの脳波とVASの間には有意な正の相関を認めた。
【図】http://www.nuhw.ac.jp/topics/news/20160524-2.pdf (PDF/15.7KB)

結論:
本研究により、痛み誘発部位へのテーピングにより痛みの脳波と痛みの知覚が減弱することが明らかになった。この鎮痛の作用機序は、痛み刺激から何か他のものに注意を向けるdistraction効果と考えられる。また、VASが伸縮性テープ条件で最も低くなった要因として、伸縮性テープをテンションを伴い貼付することにより生じる多くの感覚入力が、より効果的に痛みの知覚を減らしている可能性が示唆された。

>>運動機能医科学研究所の詳細はこちら
http://www.ihmms.jp/

>>大学院の詳細はこちら
http://www.nuhw.ac.jp/grad/index.html

>>健康スポーツ学科の詳細はこちら
http://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/

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