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【理学療法学科】江玉睦明講師(運動機能解析・アスリートサポートLab、運動機能医科学研究所)らの論文が国際誌「Journal of Anatomy」に掲載されました。

理学療法学科の江玉睦明講師らの論文が、国際誌「Journal of Anatomy」に掲載されました。
以下に研究概要を記載いたします。

Authors: Mutsuaki Edama; Masayoshi Kubo; Hideaki Onishi; Tomoya Takabayashi; Erika Yokoyama; Takuma Inai; Hiroshi Watanabe; Satoshi Nashimoto; Ikuo Kageyama
Journal: Journal of Anatomy
Title: Structure of the Achilles tendon at the insertion on the calcaneal tuberosity

【要旨】
目的:
アキレス腱付着部症の発生メカニズムについては報告が少なく、十分に解明されていない。この原因として、アキレス腱(AT)の踵骨隆起付着部の解剖学的報告に一定の見解が得られていないことが考えられる。そこで本研究は、ATの踵骨隆起付着部におけるねじれ構造と付着部位について詳細に検討することを目的とした。

方法:
対象は、日本人固定遺体74体133側(男性:88側、女性:45側)を用いた。方法は、ATを腓腹筋内側頭(MG)、腓腹筋外側頭(LG)、ヒラメ筋(Sol)の腱線維束に分離し、Solのみが踵骨隆起の深層(踵骨側面)に付着するものを軽度の捻れ(Type I)、LGとSolが踵骨隆起の深層に付着するものを中等度の捻れ(Type II)、LGのみが踵骨隆起の深層に付着するものを重度の捻れ(Type III)に分類した。また、ATの踵骨隆起付着部位をsuperior facet、middle facet、 inferior facetの3部位に分類した。

結果:
捻れ構造の分類については、Type Iは31側(24%)、 Type IIは87側(67%)、Type IIIは12側(9%)であり、Type IIが最も多く存在した。ATの踵骨隆起付着部位については、踵骨隆起のsuperior facetには踵骨後部滑液包が存在し、ATの各線維束の一部はmiddle facetとinferior facetの境界に付着する腱線維も存在したが、大部分はmiddle facetに付着していた。

考察:
本研究結果から、アキレス腱付着部症の好発部位であるATの前方線維は、Type IではSolのみ、Type II ではLGとSol、Type III ではLGのみであり、Type毎に位置する組織が異なることが明らかとなった。従って、Type毎に損傷部位であるATの前方線維には異なるストレインが生じている可能性があると示唆された。

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http://www.nuhw.ac.jp/faculty/medical/pt/

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