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【医療情報管理学科】齋藤翔太助教らの研究論文が英国の国際医学誌「Journal of Cancer Policy」に掲載されました。

医療情報管理学科の齋藤翔太助教と新潟大学消化器・一般外科の研究チームによる研究成果が、英国の国際医学誌「Journal of Cancer Policy」に掲載されました。研究概要は以下の通りです。

Saito S, Kameyama H, Muneoka Y, Okuda S, Wakai T, Akazawa K.
Cost-effectiveness analysis of the use of comprehensive molecular
profiling before initiating monoclonal antibody therapy against
metastatic colorectal cancer. Journal of Cancer Policy 12 (2017)
61–66.

掲載ページはこちら
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2213538317300073

要旨:
進行大腸癌化学療法で用いられる抗EGFR抗体薬は高額な治療薬であることからその治療効果を見込める適切な症例選択が必要とされています。大腸癌領域ではRAS遺伝子変異が抗EGFR抗体薬の抵抗性に関与することはよく知られていますが、近年の研究でRAS遺伝子以外にも様々な遺伝子の変異が影響していることが明らかになりました。遺伝子情報に基づいた治療戦略の使い分けの重要性が高まる中、様々な遺伝子変異を同時に特定する網羅的遺伝子検査の費用対効果は国際的にも検証されていませんでした。

本研究では網羅的遺伝子検査による遺伝子変異サブグループごとに最も効果の期待できる化学療法の選択を行った場合の費用対効果を数理モデルによって推定しました。シミュレーションの結果、RAS遺伝子検査に対して網羅的遺伝子検査は高価な検査であるものの、その費用対効果は優れていることが示唆されました。

癌に対する化学療法は個別化医療の時代に入りつつあります。大腸癌以外の疾患領域にも視野を広げて網羅的遺伝子検査の有用性について検証を発展させ、がんの医療政策に役立つ研究を続けていきたいと考えています。

>>医療情報管理学科の詳細はこちら
http://www.nuhw.ac.jp/faculty/informatics/hi/

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