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› 【理学療法学科】第26回医用近赤外線分光法研究会・第23回酸素ダイナミクス研究会合同研究会参加報告
【理学療法学科】第26回医用近赤外線分光法研究会・第23回酸素ダイナミクス研究会合同研究会参加報告
2019年9月6日(金)~9月7日(土)に東京で、第26回医用近赤外線分光法研究会・第23回酸素ダイナミクス研究会合同研究会が開催されました。
この合同研究会は、近赤外線分光法(NIRS)という手法を用いて脳や筋肉、様々な臓器の細胞における酸素輸送を研究する研究者が日本各地から集まる研究会です。
本学理学療法学科の運動生理Labから、教員の椿教授、堀田講師、大学院生の博士課程1年秦さん、修士課程2年小島さんが参加しました。
さらに今回、学部3年生の一杉さんと大須賀さんが卒業研究で行った研究内容を発表しました。一杉さんと大須賀さんは初めての発表で緊張した様子でしたが、落ち着いて発表と質疑応答をしていました。
学部3年生で口述発表を行うことは快挙です!
発表者名、演題タイトルは以下の通りです。
【シンポジウム】
堀田一樹 骨格筋組織と微小循環の特徴
【口述発表】
秦偉翔、椿淳裕、小島将、森下慎一郎、堀田一樹、宮本俊郎
神経筋電気刺激中の前頭前野の脳酸素化ヘモグロビンの変動
~低強度有酸素運動との比較~
小島将、森下慎一郎、堀田一樹、秦偉翔、椿淳裕
心肺運動負荷試験中の一次運動野における脳酸素化応答と運動耐容能の関連
一杉直樹、堀田一樹、大須賀睦、森下慎一郎、椿淳裕
下腿三頭筋のストレッチが膝窩動脈血流と筋微小循環に与える影響
大須賀睦、堀田一樹、一杉直樹、森下慎一郎、椿淳裕
健常若年者における近赤外線分光法により得られた反応性充血は骨格筋微小循環の指標になりうるか
発表者5名からのコメントです。
●堀田一樹講師からのコメント
「筋組織の微小循環と酸素運搬システム」というシンポジウムで発表する機会を与えていただきました。肺で取り込まれた酸素が筋細胞まで到達するプロセスにおいて、細動脈および毛細血管による筋微小循環の調節は重要な役割を担っています。本シンポジウムにおいて、骨格筋組織における細動脈および毛細血管の特性について、私自身のこれまでの研究も交えて紹介させていただきました。
●秦偉翔さん(博士課程1年)からのコメント
有酸素運動は認知機能を維持するために重要です。一方で寝たきり状態の者では運動が困難な方もいます。我々は、有酸素運動の代替手段として、神経筋電気刺激(NMES)に着目しました。脳の活性化には脳酸素化動態の変化が影響しています。しかし、NMES刺激による脳酸素動態の変化は不明です。そのため、本研究はNMES刺激中の脳酸素動態を同じ運動強度の有酸素運動と比較しました。その結果、脳の酸素化はNMES刺激中も一部増加しましたが、NMESより有酸素運動でより増加することが明らかとなりました。この研究を更に発展させ、NMESが認知機能改善に応用できる可能性を検討していきたいと考えています。
●小島将さん(修士課程2年)からのコメント
心肺運動負荷試験は運動耐容能(持久力)を評価する方法であり、運動強度が徐々に増加する漸増負荷運動です。漸増負荷運動中に脳の酸素化ヘモグロビン(O2Hb)が増加します。しかし、運動に関連する一次運動野での変化は不明であり、運動耐容能と関連するかも不明です。我々は今回の研究で運動耐容能が高いことはO2Hb増加と関連することが明らかにしました。今後、さらに運動中のO2Hbの理解を深め、運動が脳へ与える効果を検討していきたいと思います。
●一杉直樹さん(学部3年)からのコメント
過去の先行研究では末梢動脈疾患患者に対する長期的なストレッチが血管内皮機能を向上させたという報告がありました。しかし、そのメカニズムは不明なままでした。本研究は、健常大学生に対して下腿三頭筋へのストレッチを行うことで膝窩動脈での逆行性血流速度が増加することを明らかにしました。この結果は、ストレッチが血管内皮機能を改善させたメカニズムの一つである可能性を示唆しています。
●大須賀睦さん(学部3年)からのコメント
これまで筋組織の微小循環を非侵襲的に評価する方法は確立されていませんでした。本研究では、近赤外分光方(NIRS)により得られるデータが骨格筋微小循環を反映していることを明らかにしました。今後は、この手法を用いて、骨格筋微小循環機能の性差について研究していきたいと考えています。
写真上から
・一杉直樹さん(学部3年生)による口述発表
・大須賀睦さん(学部3年生)による口述発表
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