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【看護学科】紅林佑介講師の研究論文が国際誌に採択されました!

紅林佑介講師(看護学科、精神看護学研究室)の研究論文が、国際誌「perspectives in psychiatric care」に採択されました。

本研究では、精神科看護師の看護実践能力は、Self-compassionという自身をいたわる心理傾向と関連することを明らかにしました。


【研究概要】
近年、看護を取り巻く環境は複雑化しています。
疾病構造の変化、世界的な多様性、医療機器や治療方法の高度化などが例に挙げられます。
それに従って、求められる看護の力量も高度になってきています。
当然、看護師が効果的に自身の看護実践能力を高められる教育方法の改良が必要になっています。

これまでに、年齢や臨床経験年数などにより徐々に看護実践能力が向上することは知られていましたが、一方で心理的特性の関与についてはあまり研究されていませんでした。
年齢や臨床経験は、時間が経つのを待つしかありませんが、看護実践能力の高さと関連する心理的特性が分かれば、教育方法を改良するヒントにつながります。
心理的特性の候補として、今回はSelf-compassionという心理的特性に着目しました。
この心理的特性は、自身をいたわる傾向を指すもので、近年の研究では抑うつ・不安を予防するだけでなく、自己向上心や学習意欲を高めることも報告されています。
このような心理的特性が看護師の実践能力を高められる可能性も考えられますが、その点を解明した研究は世界でもなされていません。
そこで今回は、精神科看護師さんに協力してもらい、その点を調査しました。

433名の精神科看護師さんに、属性項目・他者意識・自己注目・Self-compassionを調査しました。
その結果、他の要素による影響を除外しても、Self-compassionが看護実践能力の程度を予測することが明らかになりました。

【紅林講師からのコメント】
まずはご協力いただいた精神科看護師のみなさんへ感謝申し上げます。今回は精神科看護師さんの実践能力とSelf-compassionを調査しました。精神科看護では、輸液管理や創傷消毒といった身体的ケアは比較的少ないですが、一方で対人関係を通じた援助をすることが特徴であり、援助のツールは援助者自身です。援助者自身が自分を労われることは、心理的エネルギーを充足させ、他者へのより温かみのある援助をする源になりえることが今回の研究から類推されます。今後も研究を深めていき、援助者が自身をいたわることを促す教育方法の改良に繋げていき、ひいては対人援助技術の向上に寄与していきたいと思います。

【原著論文情報】
Kurebayashi Y: Self-compassion and Nursing Competency among Japanese Psychiatric Nurses, Perspectives in Psychiatric Care, Early View.


>>看護学科の詳細はこちら
https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/nr/

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