文字サイズ

トピックス&ニュース

【理学療法学科】丸山紗永さんと江玉睦明教授らの研究論文が国際誌に掲載されました!

画像1

本学は、令和2年度スポーツ庁委託事業「女性アスリートの育成・支援プロジェクト(女性アスリートの戦略的強化に向けた調査研究)」に選定され(http://www.nuhw.ac.jp/topics/public/detail/insertNumber/2913/)、女性アスリートの活躍に向けた支援や、ジュニア層を含む女性アスリートが健康でハイパフォーマンススポーツを継続できる環境を整備することを目的として研究を進めています。
今回、反張膝(膝関節の過伸展)を有する女性は、月経周期によって膝関節の弛緩性が変化することを明らかにしました。

これまで、丸山紗永さん(大学院理学療法学分野1年、スポーツ庁委託事業「女性アスリートの育成・支援プロジェクト」RA)、江玉睦明教授(理学療法学科)らの研究グループでは、重篤な膝関節のスポーツ障害である前十字靭帯(ACL)損傷に着目し、月経周期との関係性について研究を行ってきました。
今回の実験では、反張膝(膝関節の過伸展)を有する女性は、月経周期によって膝関節の弛緩性が変化することが明らかとなりました。

【丸山さんからのコメント】
現在、月経周期における女性のACL損傷に関しては多くの研究で着目されていますが、どのような要因が月経周期におけるACL損傷発生時期の違いに影響を与えているかは、まだ詳しく分かっていません。しかし、本研究結果から、膝関節の過伸展が10度以上ある、すなわち反張膝を有する女性被験者のみにおいては膝関節の弛緩性が月経周期によって変化することが明らかになりました。今後は、膝関節の局所的な弛緩性が月経周期によってどのような変化を示すのかを、月経周期異常を有する女性あるいは女性アスリートを対象に検討していきたいと考えています。

【研究内容と成果】
本研究では、女性被験者の月経周期を把握して、月経期・卵胞期・排卵期・黄体期の4期に実験を行いました。
まず、膝関節の弛緩性を調べるために、大腿骨に対する脛骨の前方移動量を測定する機器を用いて、膝前方弛緩性を評価しました(図1)。
また、全身関節弛緩性は、東大式全身関節弛緩性テストという評価法を用いて評価しました(図2)。
結果、全被験者においては膝関節弛緩性、全身関節弛緩性ともに月経周期によって変化しなかった一方で、膝関節の過伸展が10度以上ある、すなわち反張膝を有する女性被験者のみにおいては膝関節弛緩性が月経周期によって変化しました(図3)。
これには、排卵期に多く分泌される女性ホルモンであるエストロゲンの作用が影響していると考えられます。

>>図1
http://www.nuhw.ac.jp/topics/news/2011191.pdf (34.4KB)

>>図2
http://www.nuhw.ac.jp/topics/news/2011192.pdf (35.6KB)

>>図3
http://www.nuhw.ac.jp/topics/news/2011193.pdf (26.5KB)

【研究成果のポイント】
1.女性は、月経周期によりACL損傷の発生率が変化することが知られていますが、危険因子の1つである膝関節の弛緩性や全身関節弛緩性が月経周期によって変化するかは十分に明らかになっていませんでした。

2.反張膝(膝関節の過伸展)を有する女性のみにおいて、排卵期に膝関節の弛緩性が増加することが明らかになりました。
しかし、全身関節弛緩性は月経周期によって変化しませんでした。

3.今後は、膝関節の局所的な弛緩性が月経周期によって変化するかを、健常女性だけでなく女性アスリートにおいても調べていく必要があります。

>>研究の背景についてはこちらから
https://www.nuhw-pt.jp/2020/11/-20201118.html

【原著論文情報】
Relationship between anterior knee laxity and general joint laxity in the menstrual cycle. Maruyama S, Yamazaki T, Sato Y, Suzuki Y, Shimizu S, Ikezu M, Kaneko F, Matsuzawa K, Hirabayashi R, Edama M. Orthopaedic Journal of Sports Medicine [in press]

このページのトップへ