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2016年8月4日

「障がい者の自動車運転再開リハビリテーション」に関する研究

外川 佑

作業療法学科 助教/作業療法士

■趣味:スポーツ観戦、映画鑑賞、ラーメン屋めぐり
■愛読書:Driving and Community Mobility、コウノドリ、ジャイアント・キリング
■座右の銘:If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?

研究を始めたきっかけ

病院に勤めていた時代に、対象者さんの退院後の移動手段を考える機会がありました。新潟県のような地方都市では、自動車は本当に重要な移動手段となっており、自動車の運転再開には対象者さんの身体・精神の状況と交通安全を考えながら関わる必要がありました。しかし、障がいのある方の運転再開のための検査や訓練、支援技術については確立されたものがほとんどなく、もどかしさを感じていました。このような現状を少しでも変えていきたいと考え、現在行っている自動車運転リハビリに関する研究を始めました。

 

研究内容

車の運転は新潟などの地方都市では重要な移動手段であり、毎日の生活に欠かせないものです。私たち作業療法士は、対象者の方の生活の自立に向けて関わっていくことが多い職業であり、対象とする脳卒中や頭部外傷などの脳の病気を抱える患者さんの中には、身体の麻痺だけでなく、注意力や判断力が鈍くなったりする可能性があります。このような対象者さんが安全に運転できるかを確認するためには、どのような検査が望ましいのか?さらに、安全に運転するためにはどんな訓練や支援が望ましいのか?について研究しています。

 

今後の展望

世の中では、運転手は何もしなくても車が勝手に走っていく自動運転や衝突回避システムなどの技術開発が進んでいます。しかし、中には運転という「作業」を続けたい人や運転という「作業」を「いきがい」にしている人もいます。今後、私の研究が進むことで、障がいを持った方の運転操作のアシストやサポートをするシステムも実現可能になります。作業療法士が障がいの状態に合った運転支援システムを提案することで、障がいを持った方が安全に運転できるようになり、家族や友人、近所の人を車に乗せ、地域をさっそうと走り抜けていく。そんな世の中にしたいですね。

 

高校生へのメッセージ

研究とは「物事を詳しく調べたり、深く考えたりして、事実や真理などを明らかにすること」です。まだ誰の手によっても明らかにされていない事実にたどり着けたとき、その瞬間は何物にも代えがたい喜びがあります。その世界の一端を9月のオープンキャンパスで体験してみませんか?