9/30 勉強会

【研究報告】

担当:高井遥菜

タイトル:筋収縮強度の違いによる運動準備期脳酸素動態と循環応答の比較―利き手・非利き手に着目して―

要旨

  • 目的:利き手・非利き手で収縮強度の異なる運動を実施した際の運動準備期の循環応答に違いがあるかを検討すること.
  • 方法:対象は右利き健常成人7名とした.低強度(10%MVC),中強度(50%MVC),高強度(90%MVC)の静的掌握運動に,運動を行わないControl条件を加えた4条件を利き手と非利き手それぞれで行った際の平均血圧と心拍数を計測した.
  • 結果:運動準備期における循環応答に利き手・非利き手の差はなく,MAPは中強度の運動で低強度,高強度に比べ有意に上昇した.
  • 考察:循環中枢の機能が左右側性に異なっていたために,利き手非利き手に差がなかった可能性,また,セントラルコマンドによって補強されるMAPの限界は中強度運動までである可能性が示唆された.今後,本研究の結果と脳活動の関わりをNIRSを用いて検証する予定である.

【文献抄読】

担当:髙橋英明

タイトル:Improved strength of early versus late supraspinatus tendon repair: a study in the rabbit

要旨

  • 目的:回旋筋腱板の完全断裂後における手術時期が術後の腱強度に与える影響を明らかにすること
  • 方法:New Zealand White rabbit 54匹を用いた.36匹に対し腱板切除処置を施し,断裂後1,2,3カ月後(各12匹)の各時期において縫合手術を実施した.また,対照群には各時期におけるAge-matched control群(各6匹)を設けた.すべての群は術後3か月にサンプリングを実施し,凍結処置後にCT撮影,強度測定へ供した.
  • 結果:破断部位はすべての群において,entehsis部よりも腱で有意に破断したが,処置群間においける有意差は認められなかった.破断強度おいてはコントロール群に比べ処置群における強度が有意に増加した.また,1カ月後処置群に比べ3か月後処置群では有意に低値を示した.Stiffnessに関しては,1カ月後処置群のみコントロール群と比較して有意差に高値を示した.CT解析の結果,2カ月後,3カ月後処置群において有意に等吸収域の増加がみられたが,破断強度と低吸収域についての相関は認められなかった.
  • 考察:手術までの期間は,破断強度において1カ月後処置群が3カ月後処置群に比べ有意に高値を示していることから,早期に手術をした方が腱再断裂の可能性が低いことが示唆された.