11/11 勉強会

【研究報告】

担当:岩波

タイトル:メンタルローテーション課題における提示刺激と結果との関連

要旨

  • 目的:同一被験者に対し,メンタルローテーション(MR)課題を実施し,提示刺激の種類が結果に与える影響を検討すること.
  • 方法:右利き健常成人9名を対象に,提示する画像を(1)文字(2)手の画像とした2条件でMR課題を実施し,各提示刺激課題の反応時間を計測した.
  • 結果:MR課題の反応時間は手の画像を用いた方が文字の画像を用いた課題よりも有意に延長した.文字を用いた場合は回転角度に依存し延長する傾向となったが,手を用いた場合は一部回転角度に依存しない結果となった.
  • 考察:MR課題の反応時間は用いる刺激に応じて結果の特性が変化する可能性が示された.また,反応時間には神経ネットワークの時間的推移以外が反映する可能性が示唆された.

 

【文献抄読】

担当:松本卓也

タイトル:Speech-induced modulation of interhemispheric inhibition

要旨

  • 目的:発話および咀嚼運動が一次運動野(M1)間の半球間抑制(IHI)に及ぼす影響を明らかにすること.
  • 方法:10名の右利き被験者を対象とした.各条件時(安静条件,咀嚼運動,発話)に経頭蓋磁気刺激(TMS)をM1に行い,第一背側骨間筋から運動誘発電位(MEP)を誘発した.また,二連発TMSを用いて各条件時のIHI(右M1⇒左M1,左M1⇒右M1)を評価した.
  • 結果:他条件と比較し,発話時には単発TMSによって得られたMEP振幅が有意に上昇し,IHI(右M1⇒左M1)は減弱した.
  • 考察:発話時には言語領域とM1の神経連絡が促通性に作用し,M1間のIHIに影響を及ぼすことが示唆された.