3/24 勉強会

【研究報告】

担当:齊藤

タイトル:2連発電気刺激のパルス間隔が皮質脊髄路の興奮性に及ぼす影響

要旨

  • 目的:2連発電気刺激のパルス間隔が皮質脊髄路の興奮性変化に及ぼす影響を解明すること.
  • 方法:対象は健常成人11名とした.2連発電気刺激は右手首にて正中神経を刺激した.連発するパルス間隔は2, 3, 4, 5, 6, 7, 10, 15, 20, 30msの10条件とした.刺激強度は感覚閾値上とし,2連発の刺激パルスから構成されるトレインの間隔は100ms,パルス幅は1msとした.評価として経頭蓋磁気刺激法を用いて短母指外転筋および小指外転筋から運動誘発電位を導出した.
  • 結果:短母指外転筋において,2連発電気刺激のほうが単発電気刺激よりもMEPが大きくなり,特定のパルス間隔で有意なMEP増大が得られた.一方,小指外転筋においては一定の傾向は得られなかった.
  • 結論:2連発電気刺激が皮質脊髄路の興奮性変化に及ぼす影響はパルス間隔に依存しており,神経支配筋のみに影響を及ぼすことが明らかとなった.

 

【文献抄読】

担当:稲井

タイトル:Compensatory turning strategies while walking in patients with hip osteoarthritis

要旨

  • 目的:変形性股関節症(HOA)による方向転換時の代償戦略を明らかとすること.
  • 方法:対象はHOA群14名,Control群13名とした.課題はstraight walk,45°step turn,45°crossover turnの3条件とした.
  • 結果:Control群と比較して,HOA群のcrossover turnは立脚前期に足関節底屈モーメントが有意に高値であった.
  • 考察:方向転換の中で,特にcrossover turnは股関節可動域の機能が要求される.しかしながら,HOAは股関節可動域制限を生じる疾患である.そのため,HOA群はpivot turnと呼ばれる足部の運動により,股関節の運動を代償する可能性が示唆された.