6/9 日本作業療法学会予演会

【日本作業療法学会予演会】

担当:松本

タイトル:The effects of goal-directed finger movements on the excitability of the contralateral spinal anterior horn cell

要旨

  • 目的:課題指向的な手指の運動課題が対側脊髄前角細胞の興奮性に及ぼす影響を検討すること.
  • 方法:8名の被験者が右手で机上でのタッピング,机上にレーザーで投影されたキーボードを用いた文字入力,文字入力時と同じ位置の机上を叩打する疑似入力を行った.右第一背側骨間筋(FDI)の筋活動,安静を保持する左FDIからF波をそれぞれ記録した.実験結果の再現性を検証するために,8名の被験者中6名を対象に,一か月以上の期間あけ,同じ実験を再度行った.
  • 結果:各運動課題におけるF波出現率の級内相関係数は,全て0.7以上であった.各運動課題遂行時の右FDIの筋放電量はほぼ同値を示した.安静条件と比較したF波出現率の有意な上昇は文字入力課題でのみ認められた.
  • 結論:文字入力課題における対側脊髄前角細胞の興奮性の増大には,単なる運動課題の実施による促通効果のみならず,課題指向的な手指の運動により惹起された上位運動中枢の興奮性の増大が影響したと推察した.

 

担当:岩波

タイトル:運動イメージ能力と鏡像手注視・随意運動時の皮質脊髄路興奮性の関連

要旨

  • 目的:鏡像手注視・随意運動時の皮質脊髄路興奮性と運動イメージ能力の関連を解明すること.
  • 方法:鏡像手注視・手指随意運動中に経頭蓋磁気刺激による運動誘発電位(MEP)を記録しMEP振幅値を算出した.また,運動イメージ能力として運動イメージの鮮明性をMIQ-RSで評価し,MEP ratioとMIQ-RSスコアの相関関係を求めた.
  • 結果:鏡像手注視・随意運動時のMEP ratioはMIQ-RSの筋感覚的運動イメージの鮮明性スコアと有意な相関関係(r=0.65,p=0.04)を認めた.一方,視覚的運動イメージの鮮明性スコアとは相関関係を認めなかった.
  • 考察:本研究では,鏡像手注視・随意運動時の皮質脊髄路興奮性は個々の筋感覚的運動イメージの鮮明性と関連することが示唆された.