7/7 勉強会

【研究報告】

担当:佐藤

タイトル:寒冷浸水が一次運動野の興奮性へ及ぼす影響

要旨

  • 目的:寒冷浸水による皮膚温低下は一次運動野の興奮性を増大するかを検証する.
  • 方法:成人男女を対象に,30分間の浸水介入を実施し,その前後および介入中の一次運動野興奮性をTMSを用いて検証する.実験1では,単発TMSを用いて皮質脊髄路興奮性を評価し,実験2では,2連発TMSを用いて皮質内興奮性(SICI,SICF)を評価する.また,実験3では,脊髄前角細胞の興奮性をF-waveを用いて評価する.
  • 結果:実験1において,26℃の浸水によって浸水15分後から浸水終了30分後まで皮質脊髄路興奮性の増大が認められた.また,浸水部および非浸水部の皮膚温の低下ならびに不快感の増大が認められた.
  • 結論:寒冷浸水による皮質脊髄路興奮性の増大には,皮膚温低下および不快感の増大が関与することが示唆された.

 

【文献抄読】

担当:高林

タイトル:Knee adduction moment and medial knee contact force during gait in older people

要旨

  • 緒言:外的内反モーメントは変形性膝関節症のリスクファクターであるが,膝関節内側圧迫力の指標かどうかはいまだ明らかとなっていない.
  • 目的:本研究は,外的内反モーメント(KAM)と筋骨格モデルにより推定した内側圧迫力(CON)との関係性を検証することを目的とした.
  • 方法:地域在住の自立した生活を送っている高齢者122名を対象とした.課題動作は快適速度の歩行動作とし,KAM, CON, 外的膝屈曲モーメント(KFM)・伸展モーメント(KEM)を算出した.ピアソンの相関係数を用いて,算出データを解析した
  • 結果:CONに対し,KAMだけでなくKFMおよびKEMも中等度~高い相関を示した.(各々,r = 0.72, 0.49, 0.67).
  • 結論:内側圧迫力の指標には,KAMだけでなくKFMおよびKEMも考慮する必要性が示唆された.