9/22 勉強会

【研究報告】

担当:菅原

タイトル:The effect of anodal transcranial direct current stimulation over the primary motor or somatosensory cortices on somatosensory evoked magnetic fields

要旨

  • 背景:末梢神経を電気刺激した際には刺激と対側の一次体性感覚野を中心とした大脳皮質の活動が計測されています.その末梢電気刺激時の大脳皮質活動は脳波を用いて計測すると体性感覚誘発電位(SEP;Somatosensory evoked potentials)が観察され,一方脳磁界計測装置(MEG;Magnetoencephalography)を用いて計測すると体性感覚誘発磁界(SEF;Somatosensory evoked magnetic fields)が観察されます.近年,大脳皮質の可塑的変化を生じさせる機器として経頭蓋直流電流刺激(tDCS)が注目されています.tDCSの電極は陽極(Anodal)と陰極(Cathodal)があり,Anodalでは興奮性の向上,Cathodalでは興奮性の低下の作用があるとされていますが,tDCS後に末梢電気刺激を行った際の大脳皮質活動について一致した見解が得られていません.
  • 目的:本研究では,時間分解能と空間分解能に優れるMEGを用いて,Anodal tDCSを一次運動野または一次体性感覚野上に行った際の大脳皮質活動の変化を捉えることとしました.
  • 結果:末梢神経(右正中神経)刺激後には3つの大きな波形が検出されます(N20m,P35m,P60m).先行研究では,P35mは一次運動野の活動を示すこと,P60mは体性感覚野の1野もしくは2野の活動を示すことが報告されています.
  • 結論:本研究により,一次運動野へAnodal tDCSを行った際にはP35mおよびP60mが大きな値を示し,一次体性感覚野へAnodal tDCSを行った際にはP60mのみ大きな値を示すことが明らかになりました.

 

【文献抄読】

担当:岩波

タイトル:Motor imagery and electrical stimulation reproduce corticospinal excitability at levels similar to voluntary muscle contraction

要旨

  • 目的:運動イメージと電気刺激の組み合わせにより,随意的な筋収縮時と同等レベルの皮質脊髄路興奮性が生じるという仮説を検証すること.
  • 方法:8名の健常男性を対象に,①安静,②電気刺激(ES),③運動イメージ(MI),④ES+MI,⑤随意筋収縮の5条件を設定した.各条件時にTMSを実施し,MEP振幅値と潜時を比較した.
  • 結果:ES+MI条件・随意筋集収縮条件でMEP振幅値は増大し,その増大は随意的筋収縮条件と同等のレベルであった.
  • 考察:ES+MI条件時の皮質脊髄路興奮性の増大は,随意運動時と同レベルであり,有効なリハビリテーション手段となりうることが示唆された.