2/23 勉強会

【研究報告】

担当:菅原

タイトル:随意筋収縮強度が体性感覚誘発磁界に及ぼす影響(予備実験報告)

要旨

  • 背景:ヒトが随意運動を行う際には体性感覚情報の変化が生じる.中でも随意運動側と同側の末梢神経を刺激して体性感覚誘発電位(SEPs)を記録すると,安静時よりもSEP振幅値が減少するgatingが生じることが多くの先行研究で報告されている.本研究の目的は随意筋収縮時における筋収縮強度が体性感覚誘発磁界(SEF)に及ぼす影響を明らかにすることとした.
  • 方法:被験者は健常成人4名(今後15名まで計測予定)とし,使用機器は306 ch脳磁界計測装置(Neuromag),表面筋電計,電気刺激装置(Neuropack), A/D変換器(Power Lab)とした.運動課題は右示指伸展等尺性収縮で,示指伸展の収縮強度を10 %,30 %MVCとし,各収縮強度中におけるSEF波形を計測した.またControl条件として安静時のSEFを計測した.SEFは右正中神経刺激とした.
  • 結果:得られたSEF波形のN20m,P35m,P60mのPeak潜時に明らかな変化は見られなかった.各波形のPeakで算出した電流発生源の電流強度においては,N20mでは収縮強度の変化による電流強度の変化は認められなかったが,P35mでは収縮強度が増加するにつれて電流強度が減少し,P60mでは収縮強度が増加するにつれて電流強度が増加する傾向がみられた.
  • まとめ:今後被験者数を増やしてデータ解析を進めると同時に,収縮筋を正中神経支配である母指球筋とし,SEF波形の変化を検討する.

 

【文献抄読】

担当:岩波

タイトル:Representing tools as hand movements: Early and somatotopic visuomotor transformations

要旨

  • 目的:サルにおいて物体の視覚・運動特性をコード化するキャノニカルニューロンの存在が知られているが,ヒトにおいて同様のシステムが存在するかは明らかになっていない.本研究では順応―刺激パラダイムを適用して,道具の観察により生じる早期の皮質脊髄促通と手の運動について明らかにすることを目的とする.
  • 方法:13名の健常者を対象に,順応期ではつまむ動作・握る動作のビデオを提示した.その後刺激期としてそれぞれの把握動作に対応する道具の画像を提示し,画像提示150ms後に単発TMSを一時運動野へ与えた.
  • 結果:短母指外転筋と小指外転筋の皮質脊髄興奮性は,道具のアフォーダンスに一致した変化を示した.またTMSにより生じる指の運動も把握に特異的なパターンで示された.
  • 考察:道具を観察する際に生じる早期の視覚運動変換の存在が示唆された.