6/29 勉強会

【研究報告】

担当:玉越

タイトル:脳出血後のスキルトレーニングが運動機能回復およびAMPA受容体サブユニットに与える影響

要旨

  • 目的:本研究は脳出血後のスキルトレーニングが運動機能回復および中枢神経系に及ぼす影響について検討した.
  • 方法:コラゲナーゼ注入法により左線条体出血ラットを作製した.脳出血後に運動しない群,スキルトレーニングを行う群,SHAM群を設定した.スキルトレーニングを行う群には、脳出血後4日目から28日目までアクロバティック課題を実施した。前肢の感覚運機能を経時的に評価した。トレーニング終了後に脳を採取し、リアルタイムPCR法を用いて脳出血後14日目および29日目におけるAMPA受容体サブユニットのmRNA発現量を解析した.
  • 結果:脳出血後にスキルトレーニングを行った群は前肢の感覚運動機能を有意に改善させ、脳出血後29日目における傷害側感覚運動野のAMPA受容体サブユニットのmRNA発現量を有意に増加させた.
  • 結論:脳出血後のスキルトレーニングによる前肢感覚運動機能回復は,傷害側のAMPA受容体サブユニットのmRNA発現量が関与していると考えられる.

 

【文献抄読】

担当:江玉

タイトル:The soleus muscle: MRI, anatomic and histologic findings in cadavers with clinical correlation of strain injury distribution

要旨

  • 目的:遺体を用いた解剖学的知見とMRI画像との関連性と後ろ向きにヒラメ筋損傷患者のMRI画像を解析して損傷部位を同定すること.
  • 対象: 11足の冷凍遺体, 下腿部に損傷歴のない健常成人20名(40側),55名の選手(平均年齢:33.6歳,24歳-50歳,全て男性)を対象とした.
  • 結果: 本研究では,内側と外側の起始腱膜と中心腱を全例で観察(肉眼解剖とMRI)できた.本研究では,MTJの損傷は31名でMYOの損傷は24名でありMTJの損傷の方が多かった.MTJの損傷では内側が14名,外側は7名,中心腱部は10名であった.
  • 考察・まとめ:本研究ではヒラメ筋の損傷が筋腱移行部に好発することを,解剖学的,画像診断学的に明らかにした.本研究結果は,正確な確定診断と,良好な予後に役立つ可能性が示唆された.