10/5 勉強会

【研究報告】

担当:金谷

タイトル:片脚立位の姿勢制御の検討

要旨

  • 目的:本研究の目的は,左右方向と前後方向のCOPの振る舞いに着目して片脚立位時の姿勢制御について検討することである.
  • 方法:健常成人14名を対象に「開眼片脚立位(以下EO)」,「閉眼片脚立位(以下EC)」,「上肢運動を伴った閉眼片脚立位(以下ECP)」の3条件の片脚立位について,COPの変位を,フォースプレートを用いて測定し(DAY1) ,後日,同条件で再計測を行った(DAY2).フォースプレートより得たデータから,左右方向の総軌跡長(X値)を前後方向の総軌跡長(Y値)で除した値により,個人のCOPの動揺パターンを示した(ML/AP比).
  • 結果:「ML/AP比」はEO条件以外の課題条件において「DAY1」と「DAY2」に正の相関関係が認められた.また,各課題条件間の「ML/AP比」に関して,全ての組み合わせ(EO-EC, EC-ECP, EO-ECP)に正の相関関係が認められた.
  • 結論:本研究の結果は,片脚立位において,個人内の姿勢制御方法は確立されており,課題条件が変化したとしても,個人内の姿勢制御方法自体は変化しないことが示唆された.

【文献抄読】

担当:佐々木

タイトル:Intra-individual variability in the response to anodal Transcranial Direct Current Stimulation

要旨

  • 目的:本研究の目的は,Anodal tDCSの介入による個人内の変動性について明らかにすることである.
  • 方法:対象は健常成人44名(20.5±1.5歳)であった.介入は一次運動野へのAnodal tDCSとした(刺激時間:13分間,刺激強度:1 mA).介入効果の検証のため,経頭蓋磁気刺激によって誘発される運動誘発電位(MEP)を右第一背側骨間筋から導出した.MEPは介入前と介入後の0から60分間の5分ごとにそれぞれ計測した.磁気刺激強度は介入前にMEP振幅値が1 mVを導出する強度とした.本実験は,別日で2セッション実施した.
  • 結果:Anodal tDCSは介入後0から30分間の間で一次運動野の興奮性を増加させ,セッション間でICC(2.1)はfairを示した.さらに,分散成分分析の結果,Anodal tDCS効果の変動性には,被験者間要因が強いことが明らかとなった.
  • 結論: Anodal tDCS効果の変動性には,被験者内要因よりも被験者間要因が大きいことが明らかとなった.