10/19 勉強会

【研究報告】

担当:大野

タイトル:弱い単発経頭蓋磁気刺激が最大握力発揮時の筋力増強を引き起こすか?

要旨

  • 目的:筋力増強には筋肥大と神経活性の増大が重要な要因である。経頭蓋磁気刺激法(TMS)は脳神経系の興奮性を評価でき、筋収縮時に単発TMSを付加するとtwitchを起こし瞬間筋力を増加させる現象を起こす。本研究は、弱い単発TMSを伴う最大握力発揮による3日間の最大握力トレーニングを行い最大握力が増大するか及び、二連発TMSによる運動野皮質内抑制(SICI)が変化するかを検討した。
  • 方法:被験者は健常成人で実験群男女7名、no-TMSの対象群男女7名である。単発TMS(100%安静運動閾値強度)によって右手橈側根屈筋で誘発筋電図が記録された。刺激時間は2秒間の最大握力発揮時の1秒後である。1日のトレーニングは4回の最大握力発揮と10秒間の休憩を1セットとし、セット間休憩を5分間で5セット実施した。二連発TMSは3日間ともトレーニング前とセット終了直後と5分後で測定した。
  • 結果:実験群の握力前値が3日目で6.6%増加し、SICI後値は前値と比較し2日目から有意に低下した。対象群では共に変化しなかった。
  • 結論:3日間の最大握力発揮時の弱い単発TMSは最大握力を高め、運動野内の興奮性変化を起こす可能性が示唆された。

 

【文献抄読】

担当:高林

タイトル:Take your shoes off to reduce patellofemoral joint

要旨

  • 目的:裸足ランニングとシューズランニングの違いが膝蓋大腿関節(PFJ)のストレスに及ぼす影響を検証した.
  • 方法:対象は高度なトレーニング受けている男女22名とした.対象者は屋内で裸足条件とシューズ条件でランニングを行った.解析区間は立脚期とし,PFJモデルを使用してPFJ反力(関節負荷の指標; N/kg)とPFJストレス(MPa)算出した.
  • 結果:裸足ランニングは,シューズランニングと比較してPFJ反力とPFJストレスともに減少し,効果量もmoderateからlargeを示していた.
  • 結論:裸足ランニングはシューズランニングと比較してPFJ stressが減少した.裸足ランニングは膝蓋大腿関節痛症候群のリハビリテーションプランのひとつして利用できるかもしれない.