11/16 勉強会

【研究報告】

担当:山﨑

タイトル:一過性の中等度有酸素運動が運動学習に与える影響

要旨

  • 背景:一過性の運動により、前頭前野背外側部(DLPFC)の活動が高まりやすくなることや、一次運動野(M1)の脱抑制が生じることが報告されている.両部位は運動学習に関わる領域でもあるため、運動によって運動学習が促進される可能性がある.しかし、この関係性については明らかになっていないことが多く、さらなる検証が必要である.
  • 目的:一過性の中等度有酸素性運動が運動学習を促進させるかどうかを明らかにすること.
  • 方法:10分間のエルゴメーター運動(50%VO2peak)の後、運動学習をおこなう.実験1では運動学習課題成績の、実験2では経頭蓋磁気刺激(TMS)を用いてM1の興奮性、及び皮質内抑制・促通の変化を検証する.評価はbaseline、運動後、運動学習直後、15分後、30分後、4-6時間後とする.また、二次元気分尺度(TDMS)による被験者の覚醒度の判定、VASによる運動の嗜好性の評価もおこなう.この方法を用いて今後実験を進めていく.

 

【文献抄読】

担当:中川(弘)

タイトル:Effects of nitric oxide on notexin-induced muscle inflammatory responses

要旨

  • 目的:本研究の目的は,ノテキシン誘発性炎症モデルマウスを用い一酸化窒素(NO)の役割を検討することであった.
  • 方法:前脛骨筋に対して炎症を惹起するNotexinを投与した群(Notexin群),Notexinに加えNO合成阻害剤であるL-NAMEを投与した群(L-NAME群),NO供与体であるSNPを投与した群(SNP群),薬品投与を行わなかった群(Control群)にグルーピングした.Notexin 投与4日後および7日後に筋採取し,qRT-PCRとWestern Blotによる解析を行った.
  • 結果:自己抗原および炎症性サイトカインは遺伝子レベル,タンパクレベルのいずれにおいてもL-NAME群ではNotexin群より増加しSNP群では増加を抑制していた.アポトーシスマーカーであるcaspase-3はSNP群ではNotexin群より増加していた.
  • 結論:一酸化窒素は筋損傷後の炎症期において,抗炎症因子としての働きがあることが示唆された.