6/6 勉強会

【研究報告】

担当:倉部

タイトル:短距離走経験者と非経験者のスプリント動作観察時の視線推移の特徴について

要旨

  • 目的:陸上競技短距離走経験者と非経験者の動画観察時の視線推移にどのような差が出るかを検討した。
  • 方法:被験者をトップスプリンター群、スプリンター群、非経験者群に分け、スプリント動画を観察してもらい、角膜反射法を用いて観察時の視線推移を測定した
  • 結果:トップスプリンター群の全視線ポイントに対する視線区分の割合は脚(45%)腰(40(%)と最も高く、スプリンター群では主に腰部(約50%)であり、非経験者では頭部(約40%)であった。
  • 考察:非経験者の視線が頭部に集中したのはスプリントに対する経験や理解がないためであると考えられる。トップスプリンター群は腰の推進力が接地や回転の効率によって生まれることに注意が向き、動画のスプリンターの脚動作の分析をしていると考えられるが、スプリンター群はそこまで意識が至らず、腰を主に見ていたと考えられる.

 

【文献抄読】

担当:大鶴

タイトル:Disinhibition of the primary somatosensory cortex in patients with fibromyalgia

要旨

  • 目的:線維筋痛症患者における一次体性感覚野の皮質内抑制を検討する。
  • 方法:患者群は、右利きの女性線維筋痛症患者19名とした。年齢、性別および利き手をマッチさせた健常成人女性21名をコントロール群とした。刺激部位は両側の正中神経とし、100ミリ秒間隔の2連発刺激による皮質内抑制を脳磁場計測装置にて記録した。
  • 結果:患者群において、両側一次体性感覚野における脱抑制が認められた。また、左半球における脱抑制の程度は、痛みの強さと相関関係にあった。
  • 結論:線維筋痛患者では、一次体性感覚野における脱抑制が生じていることが示された。またその脱抑制は痛みの強さと密接な関連があることが示唆された。この脱抑制は、線維筋痛症の病態に関与している可能性がある。