1/16 勉強会

【研究報告】

担当:山代

タイトル:アスリートの脳に生じる可塑的変化

  • 背景・目的:我々がこれまでにERPsを用いて検討してきたアスリートの脳に生じる可塑的変化について実験1)種目特異的なトレーニングが体性感覚誘発電位に及ぼす影響,実験2)種目特異的なトレーニングが体性感覚Nogo電位に及ぼす影響の2つの実験を報告した.
  • 方法・結果:実験1では種目の異なるアスリートの手指に電気刺激を与え,刺激の認知を反映するERPsと単純反応時間を計測した.その結果,種目特異的にP100,N140が短縮し,それに伴い単純反応時間が速いことが明らかになった.実験2でも実験1と同様に種目の異なるアスリートに体性感覚Go/Nogo課題を用いてNogo電位とGo/Nogo反応時間を計測した.その結果,Nogo電位の増大に伴いGo/Nogo反応時間が短縮されていた.
  • 結論:いずれの結果も,長期のトレーニングにより生じた脳の可塑的変化が反応時間に影響を与えたと推察され,これらの結果は脳のトレーナビリティを示唆するものである.

 

【文献抄読】

担当:菊元

タイトル:Effects of Prophylactic Knee Bracing on Lower Limb Kinematics, Kinetics, and Energetics During Double-Leg Drop Landing at 2 Heights

  • 目的:予防的膝ブレースを着用しての両脚着地では,床反力垂直成分(GRF)のピーク時に,股関節屈曲角の増加,足関節背屈角の増加などのACL損傷のリスク因子が改善し,膝伸展モーメントが減少すると仮説を立て,着用しない状態での着地との比較を行う.
  • 方法:30cmおよび60cm台からの両側着地を,予防的膝ブレースの着用時と未着用時で比較を行う.男性7名,女性8名のレクリエーションアスリートの測定を行った.
  • 結果: 予防的膝ブレース着用での両側着地では、床反力垂直成分のピーク値での股関節屈曲角度,また膝関節屈曲角度が増加し,最大股関節伸展モーメントも増加した.しかし着用時と未着用時では,床反力垂直成分のピーク値には差は認められなかった.
  • 結論:予防的膝ブレースの着用は、ACL損傷のリスクに関連する重要な生体力学的要因の改善をもたらす可能性が示唆された.