6/12 勉強会

【研究報告】

担当:高林

タイトル:ランニング中の下腿と後足部間の協調性パターン

  • 目的:本研究はランニング中の下腿と後足部間の協調性パターンを定量化することを目的とした.
  • 方法:対象は健常男性10名とし,課題はトレッドミル上でのランニングとした.関節角度の値からmodified vector coding techniqueを用いて下腿と後足部間のcoupling angleを算出し,coupling angleを吸収期と推進期で4つの協調性パターンに分類した.
  • 結果:吸収期において,In-phase with proximal dominancy(下腿内旋と後足部回内が起こるが,下腿がより動く)が最も大きな割合(48.8%)を占めていた.同様に,推進期もIn-phase with proximal dominancy(下腿外旋と後足部回外が起こるが,下腿がより動く)が最も大きな割合(65.5%)を占めていた.
  • 結論:本研究より,ランニング中は下腿内旋と後足部回内,下腿外旋と後足部回外の運動連鎖が生じるが,吸収期と推進期で後足部に対して下腿がより大きく動く割合が大部分を占めることが明らかになった.

 

【文献抄読】

担当:齊藤

タイトル:Phasic modulation of human somatosensory perception by transcranially applied oscillating currents

出典:Gundlach C et al. Brain Stimul. 2016;9(5):712-9.

  • 目的:mu-alpha帯域の経頭蓋交流電流刺激(tACS)を与えたときに体性感覚機能がどのように変化するのかを検証する
  • 方法:健常成人13名を対象として,両側一次体性感覚野にtACSを行った.tACSの刺激強度は1mA,刺激時間は5分とした.刺激周波数はmu-alpha帯域で最も高いpowerを示した各被験者の周波数とした.感覚機能検査として,右示指への電気刺激を与えたときの感覚閾値をtACS前とtACSの最中,tACS後に記録し,それらを比較した.
  • 結果:tACSの前後で感覚閾値の変化は認められなかった.しかし,tACSを行っている最中では,tACSの周期性に合わせて感覚閾値が変化する現象が認められた.
  • 結論:一次体性感覚野へのmu-alpha帯域のtACSはその周期性に合わせて体性感覚機能を変化させる可能性が示唆された.