7/24 勉強会

【研究報告】

担当:立木

タイトル:反復的他動運動のduty cycleの有無が皮質脊髄路の興奮性に及ぼす影響

  • 目的:本研究は反復的他動運動のduty cycleの有無が皮質脊髄路の興奮性に与える影響を明らかにすることを目的とした.
  • 方法:皮質脊髄路の興奮性評価には,経頭蓋磁気刺激によって誘発される運動誘発電位(MEP)を用い,脊髄の興奮性評価には電気刺激によって誘発されるF波を用いた.介入を右示指の内外転他動運動10分間とし,角速度40°/ 秒で行う連続的な反復他動運動と,角速度40°/ 秒もしくは100°/ 秒で行う4秒on-6秒offのduty cycleを設けた間欠的な反復他動運動の3条件とした.
  • 結果:連続的な反復他動運動では介入後にMEP振幅値の有意な低下を示したが,間欠的な反復他動運動ではMEP振幅値に有意な変化を認めなかった.F波振幅値はいずれの条件においても有意な変化を示さなかった.
  • 結論:反復他動運動のduty cycleの有無が皮質脊髄路の興奮性変動に影響することが明らかになった.

 

【文献抄読】

担当:森下

タイトル:Strength training to enhance early recovery after hematopoietic stem cell transplantation

出典:Hacker et al. Biol Blood Marrow Transplant 2017;23:659–669.

  • 背景:先行研究では造血幹細胞移植後は有酸素運動よりも筋力増強トレーニングのほうが重要と報告されている。
  • 目的:造血幹細胞移植患者において退院後6週間の筋力増強トレーニングが機能回復を高めるかどうかを調査した。
  • 方法:造血幹細胞移植患者75名を筋力増強トレーニング群とコントロール群に分け6週間の介入結果を調査している。
  • 結果:6週間の介入結果後、筋力増強トレーニング群は倦怠感や身体機能が有意に改善した。
  • 結語:6週間の中強度筋力増強トレーニングは造血幹細胞移植後の身体機能回復を高める。また、筋力増強トレーニングは患者にとって負担が少なく、最大の利益がある。